イージーゲエム.【Kei.I】

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「なんか久々に会えてほんとよかった。大貴、色々ありがとね」

「おう……まああれだぞ？なんか行き詰まったことあったらいつでも言えよ」

「うん。わかった。」




私はそう言い、いつもの分かれ道で大貴に手を振った。





わかりやすい大貴に会ってみて私の疑念は確信に変わった。

やっぱり大貴と一花は私の為に慧君を尾行していたのだということ。

そしてそれを私の意志を尊重して隠していること。



あれは数日前のことだった。

買い物をしに電車に乗ろうと駅に向かった日。

私はたまたま大貴と一花を見つけたのである。

声をかけようと思ったのだが、何やら二人は真剣に双眼鏡を覗き込んでいて。


誰かを追っているのは一目瞭然だった。

そして二人はそのまま誰かの後をつけているように見えて。

なんだか私は気になって二人にバレないようについていったのだ。




そして、私は二人と一緒に見てしまったのだ。

慧君が、知らない女の人とホテルに入っていく姿を。





でも何故かその様子を見て私は不思議とショックは感じなかった。

逆に全てが腑に落ちたというか。

でも私はそれを見てもなぜか慧君を心の内から消し去ることはできなくて。



それはきっと自分自身で確かめたかったからだと思う。

自分の言葉で、慧君に対面して聞きたかったから。

本当の慧君を、私は自分で見て、納得したいから。




きっと一花も大貴もそんな私の性格を汲み取って隠し続けてくれてるだと思う。

そんな友達を持った私だからこそ、できることがあると思うから。



この問題は自分で解決したいから。












『この前はごめんなさい。話をしたいんですだけど空いてる日ありますか？』



私は家に帰ってすぐ慧君にLINEをした。

思い立ったらすぐ行動。それが私のモットーだから。




『明日とか、どう？』



慧君の返事には意外にも短く、翌日、私は慧君とファミレスで会うことになった。

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