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｢この前、裕翔に山田と別れたらって、ハッキリそう言われたよ｣
気づけば俺は沈む夕日を見つめたまま話していた。
｢なんか俺、情けないけどさ。その通りかなあって思ったよ。あのラジオの件で改めて山田との差を感じたっていうか。このままこんな山田と俺は付き合ってていいのかなって、正直思った。｣
｢……｣
山田は俯きながら黙って俺の話を聞いてくれていた。
｢でもいざ山田と別れるってことを考えた時に、このまま本当に山田とのことを諦めていいのかなって、後悔するんじゃないかって思い至って。｣
｢…うん。｣
｢なんていうんだろう、なんか、山田が隣にいない日々が俺、考えられなかったんだよね。｣
俺はそう言うと腰を上げて海の方に向かった。
｢だから、山田との関係を変えるんじゃなくて、俺自身が変わろうってそう決めたんだ｣
俺はくるりと山田のほうに顔を向けた。
｢俺、大学に行くよ。興味のあることとか勉強して、自分を変えてみようと思う。｣
山田はさっきまで下げていた顔を上げていた。
日に照らされたキラキラした目でこちらを見ていた。
｢だから、その…これからも傍で見守ってて欲しい…んだけど｣
いいですか？と何故か敬語になって尋ねると。
彼はふはっと笑って見せた。
さっきまで張り詰めていた空気が嘘のようだった。
｢あーーよかった。別れ話でもされるのかと思ったじゃん｣
彼はそう胸を撫で下ろすと、立ち上がって俺の隣に来た。
｢もちろん。伊野ちゃんが決めた道だろ？応援するに決まってんじゃん｣
山田はそう言い俺の背中を叩いた。
｢大変だと思うけど、伊野ちゃんのその選択、絶対間違ってないと思う。自信持って｣
山田の言葉はいつも、誰よりも俺の心をつき動かす。
｢山田……ありがとう…｣
｢あーーでも忙しすぎて俺の事構わなくなるのは禁止な？｣
｢構うって…山田子供じゃん笑｣
｢あ、今俺の事バカにしたろ？｣
｢えー？してない…………っん｣
そのまま塞がれるのは俺の唇。
それから彼は離れざまにペロリと俺の唇を舐めた。
｢お仕置き。｣
なんてイタズラっぽく笑う山田には一生敵う気はしないけど。
｢っ……バカ｣
隣に並ぶくらいにはなりたいなと感じる冬の日のこと。
気づけば夕日はもうとっくに沈んでいた。
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犲(プロフ) - ひさみんさん» わわ…！そんなこと言っていただけるなんて光栄です…！！甘いやまいの…良いですね！私も書いてみたいです！！また考えておきますね！コメント、わざわざ本当にありがとうございます！！ (2021年4月15日 12時) (
レス) id: 747634b50f (このIDを非表示/違反報告)
ひさみん(プロフ) - 切ないけど、とても引き込まれる作品でいっきに読まさせてもらいました！ただただ甘くて幸せなやまいののお話も読みたいので、是非お願いします！ (2021年4月14日 23時) (レス) id: 4035f86721 (このIDを非表示/違反報告)
犲(プロフ) - uminyankoさん» コメントありがとうございます！！冒頭から....…！とても嬉しいです、ラストスパートかけて頑張るのでこれからも2人の行方を見守ってやってください！よろしくお願いします！ (2021年4月8日 9時) (レス) id: 747634b50f (このIDを非表示/違反報告)
uminyanko(プロフ) - 犲さん、こんにちは。この作品の冒頭で衝撃を受けて、また衝撃を受けてます……これからの展開が気になります。楽しみに待ってます。 (2021年4月8日 8時) (レス) id: 4fc67bb942 (このIDを非表示/違反報告)
犲(プロフ) - たまさん» 嬉しいお言葉すぎて、ありがとうございます…！急な路線変更すみません、楽しんで貰えるようなお話作り頑張ります…！コメント本当にありがとうごさいます！ (2021年1月23日 20時) (レス) id: 747634b50f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：犲 | 作成日時：2021年1月23日 16時
