独占王子。4【Ryosuke.Y】

155. ページ17

「やっと着いたか。」

「はい。着陸致します。」

パイロットの声が耳に届く。


「……」


あれから私は口を開かずにいた。

なのでヘリには無言の重苦しい雰囲気が漂っていた。



「A。落ちる準備しろよー。」


＿＿＿＿＿＿＿落ちる準備？

私は頭にハテナマークを浮かべた。


え。もしかして着陸するって...

私達が落ちて地上に着陸するってこと…？！




「よし。A。もう一度言うから覚悟しとけ。」

「わ、私も言いたいことあるから言＿＿＿＿＿」


私がそこまで言い終わらないうちに私は涼介に手を引かれ、私達はヘリから真っ逆さまに落ちた。


涼介は私の手をしっかりつかんでいた。


そして私と向き合う形にする。

着陸地点はまだ見えない。



「一度しか言わねぇからよーく聞けよ！！」


涼介はいつもより大きな声で言う。

「お前には！俺だけだから。お前を俺なしで生きられないようにしてやるから！」

「涼介…っ」

「それだけ俺は…お前のこと愛してるから！愛がないなんてもう有岡にも誰にも言わねぇから…！」


涼介がこうして想いを必死に伝えてくれてるんだから。


「っ…！！」

私も、私も言わなきゃ。

どんどん落ちるにつれて着陸地点が見えてきた。

たくさんの使用人と大きな衝撃を吸収するバルーンのようなものが見えた。



「ごめん！私…もう、涼介無しでは生きられなくなっちゃったと思うよ…！」

「………はぁっ？！」


すると私達は大きなバルーンの上へと無事着陸した。


ほっとしたのも束の間。

すぐに起き上がった涼介に、私は温かいキスをもらった。

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