Ｓ愛。。＊先輩篇＊[名前変換オリジナル]

＊８話＊ ページ8

先「今日も…桐山は休みか。」



先生が出席をとりながら少し残念そうにつぶやく。



夏の大会まであと少し。



出席日数が足りなければ…この大会には当然出られない。



先生もAちゃんには期待をしているようなので…



残念そうなのだ。



俺も残念だった。



出席日数が足りないだけで大会に出られないなんて…



そして俺が思い浮かべたのはあの空だった。



きっと彼は何も知らないのだろう。




知らずに…Aちゃんを振り回しているのだろう。




…あるいは。








知っているのにAちゃんを振り回しているか。



きっと前者だと思うが…あの空なら後者もありえる。




どっちにしろ、空は迷惑な存在だ。




…なんとかしなければ。



俺は必死に思い悩んだ。



…そんな日のこと。







俺が移動教室から帰ってくる時だった。



偶然にもAちゃんに会った。



ひどくおびえた様子だったが。





響「Aちゃん？」



俺が声をかけるとAちゃんは少し肩を震わせたが…



A「夏木先輩…」



と俺だと知りニコッと笑顔になった。



響「どうかしたの？おびえてるみたいだけど…」



俺が聞くと心配はかけまいとAちゃんは首をふり




A「いえ！！たいしたことでは…」



そう言うAちゃんの心が…



なぜか遠く感じた。









だから。



俺は…Aちゃんを抱きしめた。



Aちゃんの心を引き寄せるように。



Aちゃんは抵抗しなかった。



ただただ…俺に包まれたままでいた。



…可愛い。



俺はただ、そう思った。

＊９話＊→←＊７話＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す