Ｓ愛。。＊先輩篇＊[名前変換オリジナル]

＊７話＊ ページ7

…今日は来るだろうか。



俺はジャージに着替えながらそんなことを思う。



最近はAちゃんのことばかりだった。



今日、あんな元気に走ってたんだから…



調子は悪くはないだろう。



だったら…という淡い期待を持っていた。




…そんな時。



「来たぜ〜あの１年。」



「二人で並んで歩いてるぜ〜」



生徒達がそんな話をしていた。



俺はまさかと思いながら廊下を見る。



そこには…やっぱりそうだった。



Aちゃんと…あの男の子の姿。



でも。



みんなはラブラブとか言ってるが…



どうも俺にはそう感じなかった。



男「そんな目をそらすことなんてないだろ？」



彼がそう言うとAちゃんはなぜか後ずさりした。



まるで…彼を恐れているような…



男「何逃げてんだよ。A。」



せまる彼。



Aちゃんはおびえたように体を縮こまらせた。



そこで俺は確信した。



響「その辺にしてあげたら？彼氏君。」



俺はAちゃんの前に立って守った。



すると…彼は明らかに不満そうな顔をしたが…



すぐに笑顔になり



「これが俺らの愛のやりとりなんです。邪魔しないでくれませんか？」


と言い切る。



愛のやりとり？



俺はチラリと後ろにいるAちゃんを見る。



そして…



響「でも彼女は嫌そうだよ？」



と言い返す。



「そういうプレイなんです。邪魔しないでくれませんか？先輩。」



彼は…挑戦的だった。



そして俺に向けているこの笑顔は飾られたものなんだと知った。




…許せない。



プレイ？そんなのAちゃんが可愛そうだ。



俺が口を開こうとしたとき…




A「私なら大丈夫なんで！！行こう！！夏木！！」



Aちゃんはそう言い彼を連れて行ってしまった。



俺は呆然と立ち尽くす。




「うわぁ…修羅場だな。」



「つか夏木って…あの猫かぶりの？」



１年の男子達がそんなことを言う。



猫かぶり…確かにそうかもしれない。




もしかしたらAちゃんはあの夏木のせいで…




響「…許せない。」




俺は初めて人に怒りを感じた。

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