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｢皐月...お腹すいた｣
｢ん？わかった...ご飯だね｣
皐月は本を読むのをやめてベッドのそばから離れていった。
｢A、何が食べたい？｣
｢...お肉が食べたい｣
皐月はふと私の方を見た。私は唇をかんで感情を押し殺した。
｢そっか...でもお肉ないけど...｣
｢もうお粥ばっかり飽きた。動けない分ご飯の望みくらい聞いてくれたっていいでしょう？｣
普通に、普通に。
私は何度も自分に言い聞かせた。
｢まあそれもそうかあ...じゃあ僕お肉買ってくるね｣
私はガッツポーズしたくなる気持ちを抑えながら
｢うん、わかった｣
と短く答えた。
皐月は出かける支度を済ませると私のそばに寄ってきた。
｢A｣
｢何...｣
皐月は私の顎を掴むと強引に自分の顔の方に向け私の唇にキスをした。
｢変な気だけは起こさないでね｣
皐月の目は座っていた。
｢わ、わかった...｣
それは今まで見たことのない瞳で私は一瞬怯んでしまった。
その後皐月はにこりと微笑むと
｢じゃあ行ってきます｣
そう言い家をあとにした。
私が目覚めてから私と皐月の間には見えない溝が日に日に深まっていた。
この今の関係で皐月は満足しているのだろうか？
これが皐月の望んでいたカタチ？
｢いやいや。そんなこと考えてる場合じゃなくて...！｣
私が家にないであろう肉を要求し、芝居を打って皐月を家から追い出したのには訳があった。
私の目はスマホを捉えていた。
私のスマホはベッドから数センチ離れたところに落ちていた。
そう。私はこの今の状況を誰かに知らせたかったのだ。
誰かって言っても私の頭にはただ1人しかいない。
｢新太...｣
こんだけ学校に行かない私のことをきっと心配しているだろう。
一生懸命体に力を入れてみるものの手は愚か、指先ひとつ動かせない。
ベッドから降りようにも体は動かない。
私はすっと体の力を抜いた。
やっぱり皐月を追い出したのは無駄だったかな。
諦めよう。
そう思った矢先...
ピーンポーン
そうインターホンが鳴った。
皐月？...いや違う。
｢A？ここにいるのか...？｣
ドアの向こうから聞こえてきたのは
新太...！
奇跡の来訪だった。
私は声の出る限り精一杯叫んだ。
｢助けてっ！！新太！！｣
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晴れの空(プロフ) - 空百合さん» コメントありがとうございます...！！こうしてコメ残してくれることがほんとに嬉しいです...わかりました！更新頑張りますね...！ほぼ休止状態が激しいですが応援してくれると嬉しいです！ (2018年9月23日 17時) (
レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
空百合(プロフ) - なんてコメントすればいいのかわからないんですけど……続きがすごく気になります！特に、20番のお話は好きです。やめないでくださるとうれしいです……！ (2018年9月19日 2時) (レス) id: b07a96ee40 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» 完結させられるように頑張ります！新しい作品も作りますのでぜひリクとかもしあれば気兼ねなく言ってください...！！本当にありがとうございます！！ (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» ありがとうございます...！！今すごく泣きそうです...もう私の作品なんて楽しみにしてくれる人はいないのかもしれないってすごく思ってたのでこんな温かいコメント頂けて嬉しいです... (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
ar - 初めてコメントさせて頂きます。今回の作品で初めて晴れの空さんの書かれている作品を拝見させて頂きましたが、更新を毎日楽しみに待っております！今回も完結まで読ませて頂きたいですし、今後も他の作品が是非見たいです！ (2018年9月4日 21時) (レス) id: 3a674cfdde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴れの空
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ika/
作成日時：2018年3月17日 20時
