Twins.［名前変換オリジナル］

023* ページ24

目を覚ました時、目の前にいたのは皐月だった。



｢A...｣


私の名前を呼んで微笑むのはいつもの皐月。



｢私...｣



私が起き上がろうとすると



｢A、無理しないで。まだ安静にしてた方がいいよ｣



皐月はそう私を制した。



ね？と首を傾げる皐月。



｢A、僕ご飯作ったんだあ。食べてくれる？｣



｢え、皐月がご飯？！｣



私は目玉が飛び出るかと思うくらい驚いた。



私がやってあげないと何も出来なかった皐月が自炊するなんて...



｢いやあ、何日もコンビニ弁当はなあって思って。待ってて。すぐ持ってくるね｣



皐月はそう言うとキッチンへと向かった。



皐月が用意してる間、ようやく私の頭は冴えてきた。



私体育倉庫に閉じ込められてて、お母さんの夢を見て、皐月が迎えに来てくれて...



ああ、そのまま気を失ったんだ。



｢皐月、今日は何日？｣



何日私は眠ったままだったのか気になり、皐月に聞いてみた。



｢今日は6月10日だよ。｣



皐月は湯気の立つお粥を持ってきながら答えた。



私が閉じ込められたのは確か8日だったから...


｢私、2日間も眠ったままだったのね｣



｢無理もないよ。あんだけ弱ってたら｣



皐月はそう言いながらお粥に息を吹きかけて冷ました。



｢はい。A、あーん｣



皐月はそう食べさせてくれるみたいだった。


いつもは逆だからなんだか恥ずかしい。



｢あーん...｣



私はぎこちなく口を開けてお粥を飲み込んだ。



｢え...すごくおいしい...！！｣



｢ふふーでしょ？｣



皐月はえへんと言うかのようにドヤ顔をかました。



｢2日間でこんなに上手くなるものなのね｣



私はそう言いながらまた口を開けた。



｢...まあね、あれだよ。Aの味思い出しながら｣



｢そうなの？｣



まあお粥くらい2日間もあったら作れるようになるか...


そのうちあっという間にお粥はなくなった。


｢ありがとう、ごちそうさま｣


｢全部食べてくれてよかったあ！あ、あとこれ薬飲んで？｣



｢薬まで？ありがとう...｣



きっと街に出て買ってきてくれたんだろう。



私は薬を飲み込んだ後、少し皐月と談笑をした。



｢明日は学校行けるかな？｣


とか



｢私が行けなくても皐月は行きなさいよ｣



とかだったかな。



｢んー...また眠くなってきた...｣


私まだ疲れてるのかな。


｢うん、いいよ。ゆっくりおやすみ...｣


皐月は最後、そう言ってたかな。

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