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皐月サイド
「すみませぇん」
そういきなり声をかけてきたのは俺より少し上であろう女達だった。
「...何か?」
俺はクラスではもちろん話しかけられはしないからこんなのは初めてだった。
「君、すごい佇まい?がかっこいいなあって思ってえ。」
「ねーもし1人ならぁ私たちと遊ばない?」
勝手に俺の隣のカウンター席に腰掛ける女。
俺は女達を見つめた。
...なんて汚いんだろう。
俺の感想はそれだった。
色素の抜けた髪に顔の原型を留めないバチバチのメイク。
服からはみ出る足や手は見るに耐えないほど汚い。
話し方もアホ丸出しじゃないか。
...Aとは天と地の差だな。
俺はふぅとため息をつくと席立とうとした。
こんな奴らと話すなんていう無駄な時間過ごすこと自体もったいない。
...しかし。
「ねえ、どこ行くのお?」
「逃がさないよーこんなイイオトコ。」
腕を掴まれ席に引き戻された。
...そろそろ限界だった。
1発殴ってやろうかとも考えたがここで騒ぎを起こせばたちまち忌み子であるのがバレ、またこの町にはいられなくなるだろう。
そうなればAにも迷惑をかけることになる。
俺は大人しく座り直した。
「聞き分けのいい子でよかったあ」
女達は笑顔になって俺を熱く見つめた。
俺は黙って前を見つめてるしかなかった。
...しかし
「あれえーちょっと君!この待ち受けの女の子誰え?」
はっとして見ると女はいつの間にか俺のスマホを取り上げていた。
「え、何その子ーなんか地味ねえ」
「それな!私も思ったあーなんか女の魅力の欠片も無いわね笑」
...はぁ?
「なあに?この子君の彼女なのお?」
「...そうですけど」
「えーうそお!全然つりあってないよ?彼女可愛そうー別れてあげたほうがいんじゃない?」
「それなあー」
くすくすと笑う女に我慢の限界だった。
俺は飲み残していた水を女達にぶっかけた。
「おめぇらより100億倍マシだよ。このアバズレ女共が。」
そして俺は客の視線を浴びたと同時に店を出た。
Aのことをああ言う奴なんて八つ裂きにしても足りないレベルだったのに...
「好きな女のためにそんなこともできないなんて、しょうもないな」
俺は顔を出した月を見てははっと笑った。
そしてスマホにあるAの写真を見た。
...A、A、A。
...会いたい。
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晴れの空(プロフ) - 空百合さん» コメントありがとうございます...!!こうしてコメ残してくれることがほんとに嬉しいです...わかりました!更新頑張りますね...!ほぼ休止状態が激しいですが応援してくれると嬉しいです! (2018年9月23日 17時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
空百合(プロフ) - なんてコメントすればいいのかわからないんですけど……続きがすごく気になります!特に、20番のお話は好きです。やめないでくださるとうれしいです……! (2018年9月19日 2時) (レス) id: b07a96ee40 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» 完結させられるように頑張ります!新しい作品も作りますのでぜひリクとかもしあれば気兼ねなく言ってください...!!本当にありがとうございます!! (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» ありがとうございます...!!今すごく泣きそうです...もう私の作品なんて楽しみにしてくれる人はいないのかもしれないってすごく思ってたのでこんな温かいコメント頂けて嬉しいです... (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
ar - 初めてコメントさせて頂きます。今回の作品で初めて晴れの空さんの書かれている作品を拝見させて頂きましたが、更新を毎日楽しみに待っております!今回も完結まで読ませて頂きたいですし、今後も他の作品が是非見たいです! (2018年9月4日 21時) (レス) id: 3a674cfdde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴れの空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ika/
作成日時:2018年3月17日 20時