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新太サイド
泣きだした千里。この時俺は初めて彼女の姿を捉えた気がした。
こんなに千里が小さく見えたのは初めてで。
「千里...」
だが俺は千里の側で背中をなでてやることもしなかった。
だってこんな時でさえも頭の中はAでいっぱいだったのだから。
「...側に寄ることもしないのね」
千里は顔を上げ俺を見つめた。
潤んだ瞳に涙の跡は確かに残っているがその瞳の奥には強い俺に対する何かの意思が見えた。
「新太の中にもう私はこれっぽっちもいないのね」
そう言うと千里はすっと立ち上がり俺の元へ歩み寄ってきた。
静かに...ゆっくりと。
その異様な空気が漂う中俺は1歩も動けないでいた。
ずっと千里の目を見つめていた。
まるで何かに捕えられているように。
そして千里の元まで来ると俺にだきついた。
「大丈夫。新太は私が元に戻してあげる。」
それが俺が聞いた最後の言葉だった。
その後ちくっと痛みが首筋にきて、そのまま目の前が歪みやがて真っ暗になった。
「A...っ」
俺は朦朧とする意識の中Aの名を呼んだ。
______俺がAを助けなきゃいけなかったのに。
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晴れの空(プロフ) - 空百合さん» コメントありがとうございます...!!こうしてコメ残してくれることがほんとに嬉しいです...わかりました!更新頑張りますね...!ほぼ休止状態が激しいですが応援してくれると嬉しいです! (2018年9月23日 17時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
空百合(プロフ) - なんてコメントすればいいのかわからないんですけど……続きがすごく気になります!特に、20番のお話は好きです。やめないでくださるとうれしいです……! (2018年9月19日 2時) (レス) id: b07a96ee40 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» 完結させられるように頑張ります!新しい作品も作りますのでぜひリクとかもしあれば気兼ねなく言ってください...!!本当にありがとうございます!! (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
晴れの空(プロフ) - arさん» ありがとうございます...!!今すごく泣きそうです...もう私の作品なんて楽しみにしてくれる人はいないのかもしれないってすごく思ってたのでこんな温かいコメント頂けて嬉しいです... (2018年9月5日 0時) (レス) id: ba85e0c2c1 (このIDを非表示/違反報告)
ar - 初めてコメントさせて頂きます。今回の作品で初めて晴れの空さんの書かれている作品を拝見させて頂きましたが、更新を毎日楽しみに待っております!今回も完結まで読ませて頂きたいですし、今後も他の作品が是非見たいです! (2018年9月4日 21時) (レス) id: 3a674cfdde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴れの空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ika/
作成日時:2018年3月17日 20時