独占王子。２[名前変換オリジナル]

●８８話● ページ41

教室に着いても由宇は私の手を離さなかった。



そして本調子にもならなかった。




梨亜「A…おはよう？」




A「梨亜…おはよ。」




梨亜「由宇さん…どうかされたの？」




A「うん。ちょっと…ね」




私はそう言い由宇を見る。




由宇はうつむいたまま顔を上げなかった。





梨亜「そう…じゃあAは由宇さんについてあげなきゃね。」




A「うん。それが私の役目だし。」




なんて私は言うと梨亜に謝って席についてもらった。




クラスメイトたちは私達が手をつないでることに驚いていた。




A「由宇様…」




由宇「ねぇ。城崎さんってAの何？」




A「ああ…えっと、お母さんの仕事仲間でしばらく、
家に来て私達の様子を見に来てくれることになってるの。」





由宇「家に…？」




A「そう。私の家に。」




すると由宇は私の手をにぎる力を強め





由宇「A…今日だけ誰にも内緒でAの家に行ってもいい？」




A「えっ…？誰にも内緒で？」




由宇「だって家の人にバレたら絶対ダメって言われるし。」




まあそれはそうだろうけど…





A「大騒ぎになっちゃうよ？」




由宇「大丈夫。僕の親友にちゃんと協力してもらうから」





由宇はそう言うと「紫藤」と呼んだ。




紫「お、おう。由宇、朝から元気ないけどどうしたんだ？」




由宇「それはちょっと訳があって。それと…」




由宇は何やら紫藤さんに話しはじめ




紫「…わかった。由宇のためならやってやる。」





由宇「ありがとう。」





会話からして契約は成立したようだった。

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