独占王子。２[名前変換オリジナル]

●８４話● ページ37

城「今日の夜、また来る。」



A「はい。わざわざありがとうございます。」




私がそうお礼を言うと城崎さんはうなずきカバンを持って行ってしまった。









青「やっと来てくださったのですね。光さん。」




A「すみません…なかなか連れてこられなくて。」




青「構いませんよ。絶対来ないと私は思っていたので。」




うわぁ…さり気なく光をけなしてるよ青崎さん…






由宇「A！！おは…」




元気にそう言ってくる由宇だが途中でぴたりと動きを止めた。




由宇「あ。やっと来たんだぁ？意気地なし。」




光「は？意気地なしってお前のことじゃねぇの？」




また小さい二人がケンカをし始めてしまった。




私が二人を落ち着かせていると




和瑳「翔。神座宮の人ですよ。」




翔「ほんとだな。やーっと来たか。」




広い廊下だと三人そろって並べちゃうんだな…




とかどうでもいいことを思っていると。





翔「単刀直入に聞く。なぜ神座宮がいいんだ。」



…それ、単刀直入すぎでしょ…




なんて思っていると光はその問いにすぐ答えた。





光「神座宮様はちゃんとAを想ってくれてるからだ。」




と。




光「俺にはわかる。心から愛したいと想う人はその人に対する目が違う。
でもお前らがAに向ける目は…そんなもんじゃない。」





光はそう言うと三人を交互ににらみつけた。







光「お前らのAに向ける目はただの「モノ」に対する目だ。」





モノ…？




翔「お前さ。そんなえらそうに言って本当にわかるのかよ。」




光「ああ。お前らも図星だろ？…本当は。」




翔「っ…！」




え…そうなの？




みんなが私に向ける目って…そんなものだったの？




光「俺はお前らのその目が変わるまでAは渡さない。」




光はそう言うと出ていってしまった。









A「…っ」




光が言ってることはきっと本当のことだ。




私…は…




青「笹塚さん。今日は行く時だけ私が御三方につきます。
だから貴方は一足先に学校へ行ってください。」




青崎さんはそう私に気遣ってか言ってくれた。




私はぺこりと頭を下げると御門家を出た。




＿＿＿＿＿＿＿＿私今、絶対ひどい顔してる。



そう思い息をついた。

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