8 ページ8
その日、私は取引先との接待に参加していた。
夜は遅いので、海人は実家で預かってもらっている。
海人は、「じいじとお風呂に入って、ばあばと寝るの！」と大喜びしている。
私の母は、彼を失ったときの私の憔悴ぶりを知っているので、今の私の変化をとても喜んでくれ、
尚且つ、「まだ若いんだし！」と新しい出会いを楽しみにしている。
今日も「頑張りなさい！」と送り出してくれたけど、接待だし…。
接待の席につくと、
「Aちゃん！」
と私の名前を呼ぶ声がした。
声のした方を向くと、そこには岸さんがいた。
今日の接待先は、岸さんの会社らしい。
私はいつも以上にキビキビ動いた。
接待だし、ちゃんとしなきゃ！と。
ある程度時間が過ぎたところで、侑子さんが、
「Aちゃん、ありがとう。助かったわ。後は私たちがするから、ゆっくり食べてね。」
と言ってくれた。
空いている席に座ると、岸さんが
「Aちゃん、お疲れー。」
と、飲み物を持ってきてくれた。
A「あ、岸さん。お疲れさまです。」
岸「Aちゃん、すげー働いてたから、疲れたっしょ？お酒飲める？いくつだっけ？」
A「あ、じゃあ少しいただきます。25歳なので、お酒大丈夫です。」
と答えると、
岸「25かぁー。同じ年だね。」
と言いながら岸さんが飲み物を持ってきてくれたので、
「すみません、ありがとうございます」
と受け取った。
岸さんは、私の顔をじっと見て、目を離さない。
A「…どうしたんですか？」
と聞くと、
岸「…うん…。」
何となく歯切れが悪い。
訝しげな顔で岸さんを見ると、岸さんは目を伏せ
「今日、旦那さんは…？」
と言った。
何を聞かれているのか分からず、
「はぁっ？！」
と言うと、
岸「俺さ、こないだ見ちゃったんだ。
高橋さん、お子さんと手を繋いで歩いてるの。
結婚、されてたんだね…」
と言われた。
あ、なるほど。
海人との帰り道を見たって事ね…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 675人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます！始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします！コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (
レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです！紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ？もいいなぁって思いました！おまけもホッコリして…ありがとうございました！ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます！私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きっちょむ | 作成日時：2019年10月26日 16時
