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彼がいなくなってしまってからというもの、



私に朝は来なかった。




正確には、朝も夜もなく、意識がある時は泣いてばかりいた。


あの頃で、きっと一生分の涙を流してしまったに違いない。



それくらい私は泣き通しだった。



海人の成長を楽しみにしていた彼。

一緒に喜びを分かち合えると思っていたのに。

ずっと一緒だと、約束したのに。





こんなに苦しい思いをするなら、いっそのこと死んでしまおうか、と何度も考えた。




でも、私がそう思うたびに、海人は泣いた。

お腹はいっぱいのはずなのに。

おむつも替えたばかりなのに。

すやすや眠っているのに。



まるで、「僕がいるよ」と私に告げているみたいだった。




そうだ、私には海人がいる…!

彼のためにも、海人を一人前に育てよう。

そう決意した私は、その日から生活を変えた。




働く場所を探し、保育園を探し、

時間が許す限り、海人と遊んだ。





そんな時、知人の紹介で、今の会社にアルバイトとして採用された。



通常の業務ではなく、雑用をするアルバイトだったが、ありがたく、私は一生懸命働いた。




働き出してすぐ、突然声を掛けられた。

声を掛けて来たのは、侑子さんだった。



侑「あなた、履歴書を見ると、デザインの勉強をしていたとなってるけど、どう?今度の社内コンペ応募してみない?」


A「いや、でも私はただのアルバイトなので…。」

侑「大丈夫。取引先のデザインじゃなくて、自社のデザインだから。新人の子達も練習で提出するの。」

A「でも…」


躊躇う私に侑子さんは微笑みながら言った。

侑「私ね、あなたの仕事ぶりをずっと見ていたの。いつも素直でてきぱきしていて。どんな人にもきちんと挨拶する。とても素敵な子だと思ったのよ。」



「だから、一緒に働いてみたい、私が育ててみたいと思ったの。」





私は、見ていてくれた人がいるということに驚き、同時に嬉しくなった。



そして、コンペに作品を提出することを

決心した。

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作品ジャンル:タレント
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
- 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時

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