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「ねー、今日さ、飲みに行かないー? ていうか、行こうよ!」
撮影が終わって、衣装を片付けていると、藤井くんが龍我に話しかけていた。
龍我もメイク道具を片付けながら、うんうんと頷いている。
藤「場所はどこにしようか?」
龍「いつものとこでいいんじゃね?」
藤「そうだね。じゃあ、僕、他の人にも声かけてくるー。
Aちゃん、また後でね。集合は6時だよ」
急に藤井くんにそう言われ、驚いた顔で2人を見ると、2人も私を驚いたような顔で見返す。
A「え?私も?いいの?」
龍「逆に何で今の会話で、誘われてない感じになるかなぁ」
龍我が呆れたように言う。
浮「そうだよ!Aちゃん来ないと寂しいよ!」
大「つーか、A来ないとか、ナシ。」
大昇と浮所くんがいつの間にか話に加わり、わちゃわちゃと、いつもの楽しい雰囲気の中に、自分も入っているのが不思議な感じ。
A「…那須くんも来るかなぁ?」
こっそりと龍我に聞いたはずなのに、なぜか大昇がキャッチする。
大「…何でそんな事気にすんだよ…」
A「別に気にしてるわけじゃないけどさ…!」
大昇は、私の言葉にふん、とそっぽを向き
大「遥香と一緒に来んじゃねえの?」なんて言う。
ちょっとだけムッとして、何て大昇に言い返そうか考えていると
当の本人たちが入ってきた。
那「藤井くんに聞いたんだけど、いつものとこでいいんだよね?」
遥「私も楽しみ!Aちゃん、一緒に飲もうね。」
気軽に遥香ちゃんから言われ、私も「うん!」と返す。
那「荷物置いたら迎えに行くよ。」
那須くんは、すごく自然に遥香ちゃんにそう言った。
やっばりあの2人、付き合ってるのかな、なんて思いながら2人が話す様子を見ていると
大「…ね、最後は2人で抜け出しちゃおうか…」
突然耳許で声がして、びっくりした私は手で耳を塞ぐ。
浮「もー。また大昇がAちゃん独り占めしようとしてるー」
浮所くんにそう言われて、どう反応したらいいか迷ったけど
大昇の顔を見ると、ニヤニヤ笑っているから
私は少しほっとした。
じゃあ、俺ら行くから、と、遥香ちゃんと一緒に歩き出した那須くんは、私の前で足を止めた。
那「そうそう、今日本忘れちゃったから、後で持ってくよ」
A「…本?あ、そっか、ありがとう。」
この前の話を思い出して返事をすると
那「今日はAと話すの、楽しみだよ」
那須くんは、にこっと笑って、行ってしまった。
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2024年1月9日 5時