Over-flow【hidaka.u】

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hidaka.say...



雅にはちゃんと伝えた。


会う前は、過去の事を思い出して

あぁ俺、本当に雅の事好きだったな、なんて


ちょっとセンチメンタルになってしまったけど






今、本当に大好きなのは誰かって自分に問うと

頭にはAちゃんの笑顔。




…大昇の勇気って、スゲーんだよ。

今度は俺が、勇気出す番だよな。








浮「雅…。俺には今、本当に好きな子がいる。だから、もう…」



雅は、あの日のように濡れた瞳をしていたけど


顔を上げたその表情は、もう吹っ切れたようにさっぱりしていて




雅「うん。ごめん。本当は、私も分かってた。」

「飛貴はもうあの頃の飛貴じゃないって」



浮「そっか…。」



雅「でも、私もあの頃の私じゃないからこそ、今度こそ飛貴のことをNO.1で考えられるって思ったの」


「飛貴、私飛貴の事、ちゃんと好きだったよ」







雅はあの頃、他の男の事を考えながら俺の前で泣いていたけど


あの頃も今も、好きな人の前では泣けなかったのかもしれない。





だってほら、今は俺の前で泣いてない。







浮「雅、俺だって、あの頃ちゃんと好きだった」


「だけど今は…」





雅「あの子でしょ？えっと…『Aちゃん』」


「久しぶりに飛貴と、試合会場で会った時もう分かってた」





浮「え…？」



雅の意外な言葉に、驚いて目を見開く。







雅「そっかー、気付いてないのは本人たちだけだったんだ」



「どう見たって、気持ちが通じ合ってる二人だったよ」









雅のその言葉を聞いた瞬間、たまらなくAちゃんに会いたくなって



俺は走り出した。




浮「雅、ごめん！俺、行くわ！！」

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