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ほんの2、3歳しか歳が変わらないはずなのに
俺の前を歩く高橋さんは、何だか余裕がある大人に見える。
浮「高橋さん…」
高「やめてよ、その『高橋さん』て。ゆうぴーでいいよ、ゆうぴーで。」
そんな風に言って笑う高橋さんを見ながら
俺も歳を重ねたら、胸につかえるものがあっても
こんな風に笑えるんだろうか、なんて思った。
高「最近さ、Aと一緒にいないの?何で?」
ストレートに聞かれて面食らう。
浮「や…いや…あの…」
何て答えようかと言いよどむ俺を、目を細めて見ながら、高橋さんは言う。
高「あのさ、A最近元気ないわけよ。」
浮「はい…。」
高「こないだは泣きながら帰って来たし」
高橋さんの言葉に、あの日だろうかと、胸がざわざわした。
高「あのさ、ぶっちゃけどうなってんの?」
「…Aとキミ、の関係ってさ」
思わず顔を上げると、高橋さんの真剣な顔とぶつかった。
何て答えたらいいか分からず、迷った挙げ句、俺は口を開いた。
浮「何で…高橋さん、いや、優斗くんが、そんな事聞くんですか?」
俺の問いに束の間黙った優斗くんは、しばらく考えるような顔付きになり
高「…だってさ、気になるじゃん?俺の大事な…」
「大事な…妹、みたいなもんだし」
とっくに気付いてた。
初めて会った日も、停電の夜に会った時も
優斗くんがAの事を『幼なじみ』だとか『妹』だとかと表現するたびに
優斗くんの眉間に、切なげなシワができる事を。
その口調に、違和感を感じる事も。
それでも俺は、気付かないふりをして答える。
浮「もう…どうしたらいいか、分からないっす」
一度言葉にすると、止まらなくなってしまう。
優斗くんはそんな俺の様子を、茶化すでもなく優しげに見守ってくれていて
いつしか俺は、昔からの友人に話すかのように
優斗くんに、俺の胸にずっとつかえていた事を
話していた。
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きっちょむ(プロフ) - おれんじ がーるさん» ありがとうございます!!やっと完結です。。。またどこかのタイミングで番外編など書けたらなーと思ってます♪ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - わーーー!!!!完結おめでとうございます(^_^)私こそ読むのがとても楽しかったです♪ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - おれんじ がーるさん» ありがとうございます!ちょっと今回は切なくなってしまいました。。。ぜひ浮所くんの応援よろしくお願いします♪ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - うわぁ…(泣)今回はとても切ないですね… (2020年8月2日 21時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - 読ませて頂きました!! もどかしいですね^o^ いつもお疲れ様です!♪ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2020年5月30日 16時