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大「A、どこ行きたいの?」


A「どこって言われても…」





あの後、立ち尽くす私の手を引いて、大昇は歩き出した。


しばらく黙ったまま歩いていたけど、いきなり大昇にそう聞かれて、私は答えられずにいた。




大昇は私の様子にほんのちょっと不機嫌そうに唇を尖らせた。


そんな大昇がちょっとかわいく思えて、私は思わず笑い出す。



大「だって…初めてじゃん。Aとオレ、デートすんの。」

A「ね、そんなデートデート言われると、何か…恥ずかしいんだけど…」




大昇はちょっとニヤッとして

「A、ちょっとは意識してくれてんの?」

なんて言う。



とりあえず、何となく二人で向かったのは、結局いつも行ってるスポーツショップで。


ウェアやタオル、小物の話をしながら色々見るうちに、いつもの私達の雰囲気になっていた。



大「な、今度の試合のリレーに、1年から金指推してみようかと思うんだけどさ」

A「いいんじゃない?最近伸びたよね!タイムすっごく速くなってる。」


部活の話をしていたら


大「そういえば、この前の試合、A惜しかったな」

そう大昇が言うから、思い出してしまった。




さっきの浮所くんと雅ちゃん。

今頃二人はどこにいるんだろうか。




A「ん…」


明らかに変わった私の様子に、大昇の歩みが止まる。





大「…そろそろ帰る?」


「まだ何もデートらしい事してないけど…少し話そうよ」


A「うん…」



大昇は、私の家まで送ってくれて、その道すがらぽつぽつと話し始めた。



大「Aはさ、進路とかって考えてる?」

A「うーん、ぼちぼち考えないといけないとは思うんだけどね…」

大「水泳やんないの?」

A「…まだ分かんない」




両親は、私がどんな進路を決めても、反対はしないだろう。

昔から『自分で決めた事は最後まで頑張りなさい』と応援されてきた。




姉が一人暮らししたい、と言った時は猛反対で、結局その話はなかった事になったけど

特に私は何も言われないから、遠くに行っても大丈夫だろう。



いっそのこと、それもいいかも、なんて思っていた。



大「…俺さ、水泳で推薦もらいたくてさ」

A「え!すごいじゃん!じゃあ頑張らないと!」



大「そうなんだよ。今まで以上に部活頑張らないとなんだよ」





「だからさ、Aが俺の隣にいてくれたら」





「もっと頑張れるかも…」




私を見る、大昇の瞳が揺れた。

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きっちょむ(プロフ) - おれんじ がーるさん» ありがとうございます!!やっと完結です。。。またどこかのタイミングで番外編など書けたらなーと思ってます♪ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - わーーー!!!!完結おめでとうございます(^_^)私こそ読むのがとても楽しかったです♪ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - おれんじ がーるさん» ありがとうございます!ちょっと今回は切なくなってしまいました。。。ぜひ浮所くんの応援よろしくお願いします♪ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - うわぁ…(泣)今回はとても切ないですね… (2020年8月2日 21時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ がーる(プロフ) - 読ませて頂きました!! もどかしいですね^o^ いつもお疲れ様です!♪ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 10e6bf4b2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きっちょむ | 作成日時:2020年5月30日 16時

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