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朝、お弁当箱を広げて悩む。
昨日のうちに大きなお弁当箱を買ってきた。
…私はお母さんと二人暮らしだから、家には小さなお弁当箱しかなかった。
私が毎日自分でお弁当を作るのも、母の仕事が忙しいから。
私が小さい頃父は他界して、物心ついた時にはもう母と二人だった。
私を育てるために母は忙しく働いてくれている。
私が通っている高校とは別の高校で教師をしている母は、本当に帰りが遅い。
時には仕事も持ち帰りだ。
それでもいつも笑顔で私に接してくれていて
私はそんな母が大好きで、少しでも助けたかった。
だから毎日母の分もお弁当を作る。
母が
「Aありがとう。今日も美味しくて嬉しかった」
って言ってくれるから私のモチベーションは上がる。
二人分も3人分も作る量はそう変わらないから
全く苦にはならない。
でも、相手はあの那須くんだよ？！
どんな物が好きなのかな。
どのくらい食べるのかな。
悩みながら作ったからか、ちょっと多めになってしまった。
お昼休みにドキドキしながら那須くんにお弁当を渡す。
那須くんは小さな声で
「ありがとう」
と言って、受け取ってくれた。
なぜか浮所くんと鈴音ちゃんが顔を赤くして悶えている。
浮「キュンキュンするねー」
鈴「ドキドキするねー」
なんて言い合ってる二人はおいといて。
私は自分のお弁当を食べながら
こっそり、私が作ったお弁当を食べる那須くんを盗み見ていた。
食べ終わったあと、那須くんはいつものようなぶっきらぼうな言い方で
「…洗って返すから」
と言ったけど、私は
「大丈夫！あの…明日も作ってくるから。お弁当箱ないと、作れないし」
そう答えて、那須くんからお弁当箱を受け取った。
那須くんは立ち上がって
「Aさん、ありがとう」
「すっげー……美味しかった」
それだけ言って、教室を出て行った。
那須くんが食べたあとのお弁当箱は、とても綺麗で
ご飯粒一粒も、残っていなかった。
どうしよう。
ますます、那須くんの事が
好きになってしまった。
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きっちょむ(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさん、いつも励ましのコメント、ありがとうございます！本当に嬉しいです♪次も楽しんで書きながら、めろんぱんさんに楽しんでもらえる作品、考えますね！応援、ありがとうございました♪ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - きっちょむさんの作品大好きなのでまた作品楽しみにしてます(^^) (2020年5月19日 23時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きっちょむ | 作成日時：2020年5月2日 12時
