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soya.say...
俺はウソが嫌いだ。
だから、Aが俺にウソをついていた事がすごくショックだった。
…俺は…言葉足らずだっただけだ。
だって、傘下にグループ会社を30社以上抱えていたとしても『自営業』の表現は間違ってないだろ？
そして、ウソが嫌いだからこそ、親父とした『コンテストで優勝できなかったら帰ってきて会社を継ぐ』って約束も、律儀に守った。
そのせいでAを傷付けてしまったけれども。
「出てってやるよ！こんなとこ！」
「俺は…自分の力でやってやるんだよ！！」
でっかい声で言いながら家を出たのは、中学を卒業してすぐだった。
僅かなお金しか持ってなくて、都会の真ん中で途方に暮れていた俺に声を掛けてくれたのは
あの店のオーナーである、松本さんだった。
「出世払いしろよ」と、あの端正な顔で俺に笑い掛けながら
住む所と仕事を与えてくれ
高卒資格も取る事のできる美容学校に通わせてくれた。
卒業後はそのまま就職させてくれ、本当に今でも頭が上がらない。
松本さんへの恩返しの意味もこめて、俺はがむしゃらに働いた。
いつの間にかスタイリストになり
店もあらかた１人で任せてもらえるようになったある日
突然親から連絡がきた。
まさかの婚約者の存在と、『帰ってこい』との度重なるメッセージ。
俺は親父に告げた。
「次のコンテストに優勝したら、俺は二度と帰らない」
親父は了承したけど、コンテストまではあと１ヶ月。
モデルもいないし、どうすっか…。
迷う俺の前に現れたのが、Aだった。
一目見て、田舎から出てきた事が分かる位のあどけなさだったけど
その目は、キラキラと希望に輝いていて
…昔の俺を見ているみたいだった。
いてもたってもいられず、俺はAに声を掛けた。
初めは相手にされなかったけど、ハプニングから助け出した縁で、ヘアカットモデルの了承をもらった。
Aはこっちがびっくりするほど、物事を知らなかった。
特に男に対しては無防備なところもあって、正直俺は何度もドキドキさせられた。
俺がはっきりAを好きだと自覚したのは、Aが麗華の事を気にしていると分かったときだった。
気になっているのに聞けない、そのいじらしさがたまらなく可愛く思えたんだ。
ずっと手に入れたかった彼女。
彼女のこれからの人生も、俺が必ずいつでも輝かせるからと
Aを抱きしめながら、俺は心に誓った。
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きっちょむ(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさん、いつも励ましのコメント、ありがとうございます！本当に嬉しいです♪次も楽しんで書きながら、めろんぱんさんに楽しんでもらえる作品、考えますね！応援、ありがとうございました♪ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - きっちょむさんの作品大好きなのでまた作品楽しみにしてます(^^) (2020年5月19日 23時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きっちょむ | 作成日時：2020年5月2日 12時
