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ハンガーにかけられた、ペパーミントグリーンのワンピースを眺める。
何でだろう。ちょっと幸せな気持ちになるのは。
あの後蒼弥は、ワンピースを試着した私を見て
「…それ、似合うじゃん」
一言だけ、そう言った。
コンテスト用の服は蒼弥が
「経費で落とすんだよ」
と言って支払ってくれたんだけど
その中にワンピースもちゃっかり入っていた。
帰る時、私にそのワンピースを渡しながら
「これはAの。」
A「え…？も、もらえないよ…」
私がそう言うと、蒼弥は笑って
猪「似合うんだからさ、黙って着とけ」
なんて言う。
今日は今から蒼弥のお店に行くけど、さすがにそのワンピースを着るのは気が引けた。
約束の時間に、結局いつもの格好で蒼弥のお店に行くと、蒼弥は色々な準備をして待っていてくれた。
A「これは何？」
珍しく見える器具一つひとつを指差して聞くと
猪「これは漉き鋏。A、何にも知らないんだな(笑)」
蒼弥は笑う。
お客さん用の椅子に座って、髪を触られる。
猪「本当に切っちゃっていいの？」
A「うん。いいの。」
猪「何か勿体なくね？長いってだけじゃなくてこんなに綺麗なのに」
「伸ばしたくて伸ばしてたんだろ？」
蒼弥にそう聞かれたけど、私は答えられなかった。
猪「ま、まだもうちょい考えようぜ。切らなくてもアレンジできる場合もあるし」
そう言いながら、髪を巻いたりしばったり色々試していた。
猪「肌は？」
急にそう聞かれて、何て答えようか迷う。
A「肌って何？」
猪「アレルギーとか、化粧品はこれじゃなきゃ嫌とか、あんの？」
お化粧なんて、本当に最小限だから、よく分からない。
A「…分からない」
猪「(笑)そうだろうよ。ま、俺に任せて」
しばらく蒼弥はぶつぶつ言いながら、色々試し、その内気が済んだのか
猪「じゃ、次は2日後に」
と言って、その日の打ち合わせは終わりになった。
猪「送ろうか？」
私が大丈夫、と言い掛けたところへ、蒼弥のスマホが鳴る。
電話に出掛けた蒼弥に、私が
「じゃあ」
と言うと、蒼弥は手を挙げて応えてくれた。
お店を出る時に聞こえた
猪「だからしばらく会えないって…」
そんな風に言った蒼弥の言葉が
少しだけ気になった。
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きっちょむ(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさん、いつも励ましのコメント、ありがとうございます！本当に嬉しいです♪次も楽しんで書きながら、めろんぱんさんに楽しんでもらえる作品、考えますね！応援、ありがとうございました♪ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - きっちょむさんの作品大好きなのでまた作品楽しみにしてます(^^) (2020年5月19日 23時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きっちょむ | 作成日時：2020年5月2日 12時
