♪10 ページ25
家の前まで来たとき、玄関ドアの前に誰かがいるのが見えて、思わず立ち止まる。
そこに座り込んでいたその人は、私を見ると立ち上がって、私を呼ぶ。
金「A…」
ずるいずるい。
こんなときにだけ、A呼びなんて。
A「一世。…どうしたの？こんなとこで…」
他に行くところ、あるんじゃないの？
あの子や、他の女の子のところとか。
そう言いそうになって、慌てて口をつぐんだ。
何も言わない一世に
「…とりあえず、入って」
と促す。
家に入っても、一世は何も言わない。
黙って立っているだけなのにやっぱり一世は美しく、
こんな時ですら一世に見惚れてしまうんだから
我ながら呆れてしまう。
A「…一世」
どうしたの、ともう一度言い掛けた私の口を
一世がキスで塞ぐ。
いつもの一世とは違う様子にびっくりして
じたばたと彼の腕の中で抵抗するけど
一世のキスがいつもより悲しく感じて
抵抗するのをやめた。
唇に一世の体温を感じながら
これが最後になるかもしれないな、なんて
ぼんやり考える。
やっと唇が解放されたと思ったら、今度はぎゅっと抱きしめられて
本当にどうしてしまったのかと、不安になる。
A「ね、一世。…ちゃんと話そ？」
私の言葉に微かに反応があったけど、顔は私の肩に埋めたままだ。
そして気付いた。
…泣いてる…？
私は一世の背中をトントンと叩き、
「どんな話でも、どんな一世でも、ちゃんと受け止めるよ」
と伝えた。
そんな私に何も言わず、一世は私を抱き抱えたまま、ベッドへと進む。
さすがに耐えきれなくなって私は
「どういう事？何か言ってよ…！」
怒りを帯びた口調で言うけど
私を射すくめる一世の眼差しと
金「A…僕から離れないで…」
初めて告げられたその言葉に
何も言わずに、身を任せた。
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きっちょむ(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさん、いつも励ましのコメント、ありがとうございます！本当に嬉しいです♪次も楽しんで書きながら、めろんぱんさんに楽しんでもらえる作品、考えますね！応援、ありがとうございました♪ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - きっちょむさんの作品大好きなのでまた作品楽しみにしてます(^^) (2020年5月19日 23時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きっちょむ | 作成日時：2020年5月2日 12時
