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オートロックの高層マンションに住むのは、今回が初めてだ。
手元の鍵で施錠すると、エントランスの自動ドアが開く。
まるでホテルみたいに綺麗なエントランスを抜け、
エレベーターを待った。
まだ他人の家にお邪魔するみたいな気持ち。
ソワソワしてしまう。
エレベーターのドアが閉まりかけた時、
「あー、すみません」
と、1人のひとがギリギリで乗り込んできた。
一応、なるべく顔を見ないように、そしてこちらも見られないように工夫する。
(万が一にも記者の人とか、口の軽い人だと面倒であるため)
とはいえ、私が階数ボタンの前に立っているので、
「何階ですか？」
と尋ねてみた。
数秒、間があって、
「同じです」
という太い声がした。
おや？と思って振り返る。
「……よしくん！」
「ねぇ、気づかなかったの？(笑)」
深めに被ったハットをくいっ、と上げて笑っていた。
「なんか緊張しちゃって」
「Aの家だよ？」
「そうなんですけど……まだ1週間も経ってないじゃないですか」
玄関の鍵を開け、「どうぞどうぞ」って譲り合って同じ家に入る。
「いや〜おつかれ！」
「おつかれさまでした。あー、思ったより遅くなっちゃった……」
時計を見て、肩を落とした。あと1時間くらいで今日が終わってしまう。
「Aもう少し早く帰れそうって言ってたもんね？」
「そうなんです。結局長引いてしまって。
家の片付けも進めたかったし、ご飯だって作って待ちたかったのに、よしくんには食べてきてもらって……」
「いいんだよ。今日も生きててよかったよ。無事に帰ってきてくれてありがとう〜A！」
そういってバッと両手を広げ、その中に閉じ込められた。
「もー！大袈裟ですよ(笑)」
ぎゅーーっと強く強く抱きしめてくれる。
疲れがほろほろ溶けていくみたい。
「早く会いたかった〜」
「私もですよ？」
今朝も同じ家から出ていったはずなんですけどね。
でも、そんなふうに言ってくれるのが
ただただ嬉しかった。
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ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - 櫂さん» 櫂さん、こちらもお楽しみいただけて幸いです。本当にありがとうございます。いつでも遊びにきてください！ (2022年8月12日 7時) (
レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - こちらの作品も読ませていただきました……本当に素敵な作品です。幸せな空間がすぐ想像出来るので、また読みにきたいと思います。完結までお疲れ様でした！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 4f295eac92 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、ありがとうございます！ぜひともよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年10月19日 0時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 新しいお話、楽しみにしてます！ (2021年10月18日 5時) (レス) @page44 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、いつもありがとうございます。そうですよね……やはり寂しさが募りますよね。私の物語がそのようにお役に立てていること、大変恐縮です……！本当に嬉しいです。完結までお付き合い頂けると幸いです。 (2021年10月5日 1時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾖｰﾘﾝ | 作成日時：2021年9月19日 1時
