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「ほんとうまいよ！Aちゃんマジですげぇよ！」
井ノ原さんはモグモグと口を動かしながら、親指を立てて私に見せる。
「大袈裟ですよー」
片付けと掃除に時間を割いてしまって、
料理を仕事にしている人間とは思えないほど手抜きになってしまった。
それでも「うまい、うまい」と言って食べてくれる。
これが幸せってやつか……だなんて思った。
食後のコーヒーを淹れると、ゆったり時間が流れていくような気がする。
「井ノ原さんブラックでしたっけ？」
「うん。ありがとう。Aちゃんも？」
コーヒーカップを両手に持って、ソファの前のテーブルに置いた。
「そうです。女がブラックって可愛くないよとかすごく言われますけど」
肩を竦めると、彼は思いっきり目を開いて
「ええ、なんで！？関係ないじゃんねぇ？」
と言った。こういうところ、井ノ原さんらしいなと思ったりして。
「剛とか健とか、ミルクとか砂糖ガンガンいれて甘いの飲んでるよ。あ、知ってる？森田と三宅」
「もちろん。食の好みについては知らなかったですが、メンバーさんのお名前は知ってますよ」
「そっかそっか。え、じゃあ俺の下の名前もわかる？」
「はい。快彦さん」
私がそう答えると、彼は一度カップから口を離して
何も言わずに私のことを指さしてから、またカップに口をつけた。
「えっ、なんですか！」
「いい……今の良かった……もっかいちょうだい！」
「そう言われると恥ずかしいです……」
「ま、でも確かに快彦って長いんだよな」
「私も、"ちゃん"まで含めると長くないですか？」
「呼び方変えてみちゃったりする？」
「してみちゃいましょうか」
「呼ばれたい名前ある？気に入ってるあだ名とか」
「そうですね……。小さい頃の友達とか、親戚なんかには、Aって呼ばれていたこともありますが、さすがにこの年では……」
「えーいいじゃんA！めっちゃかわいい」
「照れますね……でもなんか嬉しい」
「アハハ。いいよいいよ。じゃあ次俺ね？」
「何がいいです？」
「Aが決めるならなんでもいいよ。井ノ原！って呼ばれても振り向くよ」
「そんなぶっきらぼうな(笑)」
「タハハハ。Aちゃんはそんなこと言わないもんね」
「言わないですよ〜。何がいいかな……
んー、、よしくん……？」
「わ、今のすげぇドキッとした。もっかい！」
「よしくん」
「はーい。ははは」
手を高く挙げ、元気よく返事して笑ってる。
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ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - 櫂さん» 櫂さん、こちらもお楽しみいただけて幸いです。本当にありがとうございます。いつでも遊びにきてください！ (2022年8月12日 7時) (
レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - こちらの作品も読ませていただきました……本当に素敵な作品です。幸せな空間がすぐ想像出来るので、また読みにきたいと思います。完結までお疲れ様でした！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 4f295eac92 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、ありがとうございます！ぜひともよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年10月19日 0時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 新しいお話、楽しみにしてます！ (2021年10月18日 5時) (レス) @page44 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、いつもありがとうございます。そうですよね……やはり寂しさが募りますよね。私の物語がそのようにお役に立てていること、大変恐縮です……！本当に嬉しいです。完結までお付き合い頂けると幸いです。 (2021年10月5日 1時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾖｰﾘﾝ | 作成日時：2021年9月19日 1時
