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12話 愛についてpart2 ページ22

「四ツ葉っ、その怪我どうし…」

四ツ葉に駆け寄るが直ぐ様抱き付かれる。…彼の服からは血の臭いがした。でも、四ツ葉の目立った外傷は左腕のパックリ傷だけ。じゃあ帰り血か…。

「“椿”のサブクラス?」
「…うん」

“椿”
どんな外観かは分からないが…8番目の真祖を名乗る吸血鬼。その椿のサブクラスは人や他の真祖のサブクラスを殺して回っている。四ツ葉は吸血鬼特有の赤い目を持っている。でも、バイトをする時はもう片方の茶色の目に合わせた色のカラコンを入れている…人間だと思われて襲われたのかも。

「A…俺は弱いな」
「…何で? 四ツ葉は強いよ…」

否定をしても四ツ葉は「弱いよ」と自嘲気味に呟き首を振る。

「だって強かったら今日、兄さんじゃなくて俺がAを助けれたし。主人を守るのは真祖なのに。俺が“成り損ない”じゃなかったら…」

更に強く抱き締める四ツ葉。
……今日の四ツ葉は肉体的にも精神的にも弱ってるんだね。…四ツ葉はたまに”情緒不安定”になる事がある。こう言う時の手っ取り早い方法は…。私は制服のジャケットを脱ぎ、シャツのボタンに手を掛けた…所で四ツ葉が私の手を掴み阻止してきた。

「おいおいおい何脱ぎ始めてる。あの露出狂の菌でも移ったか? 止めろ止めてくれ…お前まで露出狂になる気かっ」
「何だ急に正気に戻ったねオイ。露出狂ってウイルス性の病気なの? つか其処まで脱がんわ、何想像してんの。良いから早く血ぃ吸わんかい」

謎の口論を終わらせた後に私は四ツ葉の手を払い、シャツを肩まで下ろす。下はタンクトップ着てるんだよ。残念でしたね四ツ葉くん。
髪を避け、ほら… と肩を差し出す。四ツ葉は、ピクっ… と反応し、目を細めた。しかし…

「…っ…良い…飲まなくても…」

私を自分の腕から離し、拒否をする。
だが、私は四ツ葉の頭を両手で抱き締め、そのまま自分の肩まで頭を降ろさせる。

「良いよ。四ツ葉の傷も直るし四ツ葉も“落ち着く” …一石二鳥じゃん」
「…甘やかさなくてもっ…良いんだよっ…!」
「私は四ツ葉に何時も甘やかされてる。…お会い子っ」

数秒の四ツ葉の葛藤するかの様な息遣いが耳元で聞こえた後…

「あぁ、くそっ…!」

吐き捨てた声を発し、ガプっ と四ツ葉は私の肩に噛みついて血を吸う。

「んっ…」

少し痛い…。でも本当はもっと痛いんだろうけど四ツ葉は何時も優しく加減をしてくれる。

まぁでも…四ツ葉が望むなら私の血を…最後の一滴まで飲み干しても構わないよ。

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作者名:キタペン | 作成日時:2018年9月14日 18時

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