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表さない 187話 ページ32

『何これ……』
こんなの知らない。

少年は微笑み、私も微笑み返す。
その目はどこか慈しむ様な……
仮にも私は“清水潔子”
だから少年が微笑むのはわかる
でも、私もなんて……。


もしかして、貴方が坂井君?
私の空白の記憶の中の人?

『貴方が坂井君?』
その言葉は少年はもちろん私にも届かない。
だけど、少年の言葉・息づかい・しぐさ全てが私の欠けた心の部分が満たされていく。
それは、時と記憶の消滅によって疑似的に癒されるのとは別に心が奥から癒される。

私がそんなことを考えていても時は止まらず
中学生の私が屋上から飛び出され、少年もその後を追い落ちいていった。
そして数秒経ち下から“ドパァン”と音がした。

『ごめんね……坂井君ーーーー』
私の言葉が夕日に包まれそっと消えた時、私の視界は暗転した

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北海道産のトラ(プロフ) - 茉さんへ ご指摘ありがとうございます!確かにせざるですね……。人に言われないと気づけないミスもあるので非常に助かりました! (2016年12月21日 20時) (レス) id: dd5d2ec03e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 164話の最後、しざるを得なかったではなく、せざるを得なかっただと思います。 (2016年12月15日 22時) (レス) id: f9b8981bdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北海道産のトラ | 作成日時:2016年12月10日 13時

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