名は体を表さない4th 【清水潔子成り代わり】 (ページ36)

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表さない 158話ページ36

鷹瀬に任せたら大変なことになる。田中たちの件がそうだし……。
「少なくても貴方以上な清水潔子を“演じる”」

『“演じる”なんて人の人生を軽視するような人には任せない』
まるで、清水潔子という台本通りみたいな。
「成りきるとは何が違うの？」
「それに貴方も“演じよう”とか言ってなかった？」
鷹瀬は次々と問ってくる。
こっちが圧迫感を抱く様相で。
それを見てるとこっちが逆に冷静になってきた。

『まぁ、正直成りきるも演じるも同義だと思うよ？
だから、私も貴方も同じ』

『ただ違うのは気づいたか、気づいてないか』

じっと何も言わない鷹瀬にもう一言

『私は私の人生を歩くけど、清水さんに感謝の意味を込めて高校三年はすべて原作通りに進める』

別人を演じるのではなく、私のままでね。

鷹瀬は何も言わないで、私の意識は明るくなってきた。
たぶん、目覚めかな。
『それじゃ、さようなら』

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「輝いてるんだね」
私は清水潔子が居なくなった場所で一人呟いた。
「仕方ないから貴方が諦めたら変わらせてもらうよ」
私はその時が来ることがないように願いながら言った。

人の心理は矛盾の連鎖だね。