56…S ページ7
「二階堂は、いつでも
俺の味方だって思ってたのに............ッ！！」
「ちょっ...千賀、待てよ！」
「...っ、待たねぇえ！！」
.
.
晴れ晴れとしていた空は、いつの間にか
重苦しい雲に覆われていて
ポツポツと降りだした雨に
今朝見た、お気に入りのお天気お姉さんを
意味もなく、恨んだ。
.
それから
.
.
二階堂は、追いかけては来なかった。
.
.
.
.
.
明日には6月になってしまうにしては
寒々とした風に土砂降りの冷たい雨。
足取りもおぼつかず歩く俺は
もちろん傘など差していない。
.
「冷たいなぁ......
こんなに冷たかったっけ、俺。」
.
(宏光、信じてあげられなくてごめんな...)
.
後ろを振り向かなかったのは
酷く歪んだ顔をしていたから。
それでも、カラダはいつでも
振り返れるよ。って........自分でもセコいと思った。
.
けれど、言い訳を少し言うと。
...怖かった。
俺が、このまま振り返らないで
逃げ続けてしまったら
もう宏光とは会えなくなってしまうんじゃないか。
それどころか、宮田や玉。
親友である二階堂にまでも見捨てられて
俺達はこのまま一生すれ違って
仲違いしたまま別れ離れに
なってしまうんじゃないか。
.
そう思ったら、
カラダは素直に半身を引いて
振り返ろうって体制になっていたんだ。
.
.
俺だけ、あんな風に焦って
宏光を追い詰めて
.
信じてやれなかったことに対する後悔。
思ってもみなかった猜疑心。
湧き上がってきた不安に
俺は押し潰されそうになるのを
必死に耐えた。
そんな帰り道だった。
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じぇし(プロフ) - 君色。さん» 君色さんこんにちわ。ありがとうございます^_^更新は遅いかと思いますが、引き続きよろしくお願いします^^ (2018年1月13日 12時) (
レス) id: 8a24218bb8 (このIDを非表示/違反報告)
君色。 - すっごく面白いです！これから二人がどうなっていくか、見所ですね！ (2017年12月28日 12時) (レス) id: 51a53eab2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じぇし | 作成日時：2017年12月9日 21時
