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「............さよなら、みっちゃん。」


「っ!!............渉、バイバイ」








渉は、俺を力一杯抱き締めて
サヨナラを告げた。


晴天だった空は、俺の代わりに
今は涙を流している。








暫くして、肩を離された。
その時見えた渉の顔は、苦しいのを隠しきれてなくて痛々しかった。

頭をちらつく先程の藤ヶ谷の顔。

渉と同じように、傷付いた顔をしていた。




.







(胸が…痛い)

もしかすると俺は、諦めきれてなかったのかも知れない。

渉のことだけが好きで、俺の全部を渉にぶつけてた。
助けてくれた、俺の心の支えだった渉に
ちゃんと返していこう。って思って過ごしてきた。

でも、藤ヶ谷への気持ちがもし
混ざってしまっていたとしたら。




きっと渉は凄く辛くて、苦しかったに違いない。
きっと渉はこうなることが分かってたのかもしれない。





.






だけど、俺は渉と恋人になれて
全力で渉に恋して、全力で愛してた。

それは、嘘じゃないんだ。






何かに縋りついてないと、何かに必死でいないと、ダメになりそうだった。








.









そんな俺を、渉は何度も助けてくれて
沢山幸せにして貰った。

(だからせめてものお礼に…。)









.









ブラブラと、俺は雨の中
傘も刺さずに帰途についていた。







.








.






「っ......ぅ、渉......、渉っ....」





降る雨は、まるで二人分の涙。
だけど空を見上げれば 


雲間から太陽が顔を出していて
その向こう側は憎いくらいの

清々しい晴天だった。








.







.







.








「渉......、渉っ...愛してるよ...」









『みっちゃん、ありがとね』







.






幽かに聞こえたその声は



最後に、渉へ贈った口付けのように

甘く切なかった。

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じぇし(プロフ) - 君色。さん» 君色さんこんにちわ。ありがとうございます^_^更新は遅いかと思いますが、引き続きよろしくお願いします^^ (2018年1月13日 12時) (レス) id: 8a24218bb8 (このIDを非表示/違反報告)
君色。 - すっごく面白いです!これから二人がどうなっていくか、見所ですね! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 51a53eab2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じぇし | 作成日時:2017年12月9日 21時

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