69…F ページ20
離れていく君を抱き締めようと伸ばした腕が
悲しそうに、淋しそうに空振る。
.
「きたや、まっ......き、たゃ......っ...」
.
やっと捕まえたと思った。
聞きたいことがたくさんあった。
なのに可笑しいよな。
また俺達は離れ離れになった...。
.
.
.
『ジリリリリリ』
けたたましく鳴り響く携帯のアラームの音に
どこかへ置いてけぼりになっていた俺の意識が戻ってくる。
スヌーズで鳴り続けるそれを止めるために手を伸ばせば、画面に写る文字に目を疑った。
「は...？.........もう、朝かよっ...」
頭は限界だと、ほぼ寝ているに等しいような状態だったけれど
カラダはもちろん起きたままだったから
何時間もそのままで固まってたんだと
理解する頃には途端に不眠の気怠さが襲ってきた。
重い、重いカラダを引きずって
着ていた制服はそのままにお茶を一口飲んでから
家を出た。
いつもより少しだけ早い通学路は
人の数もまばらで、考え事をする俺にはぴったりで。
頭の中は、勿論北山のことばかりだった。
他に何も考えなくとも良いこのバカな俺の脳味噌は、今までに無いくらいフル回転しつつ
昨日の北山の様子と、今までのこと。
そして、見え隠れする真実とを照らし合わせていた。
.
「まず、机の傷は北山...だったんだよな...。」
一度は否定した北山は、帰る間際...その否定を簡単に覆した。
北山が嘘をつく必要もないし...となれば
なんで一度目は嘘をついてたんだ...？
俺に...バレたくなかった、何かがあった？
一度目の時は俺にはバレてなかったから
嘘をついたけれど
二度目の時にはもうすでに、その何かがバレてて
隠しても仕方ないって投げやりになった？
(............なら、なんだ。)
あの短い間で俺は北山のどんな秘密を知ってしまった...？
.
.
「あ.........そう、だ...」
.
『...誰かに、襲われたりとか.........した？』
『ｯ...！！』
『ハジメテは...俺が良かったって。
それって、そういうこと...だよな、？』
『...ちっ、違ｯ.........ンっ...！？』
『っ......ん、北山.........。
強がらなくていいから...俺を利用して？』
『ﾔｯ...ﾀﾞﾒ.........っ、ふ...がゃ.........んぅ』
「うん、やっぱりそうだ」
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じぇし(プロフ) - 君色。さん» 君色さんこんにちわ。ありがとうございます^_^更新は遅いかと思いますが、引き続きよろしくお願いします^^ (2018年1月13日 12時) (
レス) id: 8a24218bb8 (このIDを非表示/違反報告)
君色。 - すっごく面白いです！これから二人がどうなっていくか、見所ですね！ (2017年12月28日 12時) (レス) id: 51a53eab2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じぇし | 作成日時：2017年12月9日 21時
