68…K ページ19
けれども、やっぱり神様は俺が嫌いみたいだった。
.
.
.
「大丈夫。
...これからは俺が守ってあげるからな。」
.
.
ふと、渉と初めてキスを交わした時を思い出した。
放課後の保健室。
俺は2回目の被害にあって、渉に助けてもらった。
ベッドの上、渉は泣きながら寝ている俺を抱きすくめて...言ったんだ。
『みっちゃん...大丈夫だよ...
俺が、付いてるから。俺が守ってあげるから』
.
『好きだよ』
もしかしたら、その時は本心で言ってくれてたのかもしれない。
だとしたら、俺も嬉しいよ。
だけど...
.
.
嘘吐き。
渉は、俺の傍から居なくなった。
『好きじゃなかった。』
『全部嘘だ。』
そうも言った。
.
(藤ヶ谷だって...、そうなんだろ?)
愛情の皮を被った残酷な優しさで俺を掻き回して
最後は同情だ、嘘だって言って消える。
可哀想な俺を助ける自分に、浸ってるだけなんだろ?
.
頼むから、もう。
今まで通り一人にしてくれよ。
.
そしたらもう、傷付く事も無いのに...。
.
.
.
「ヤメッ......ぁぁ...ンっ.....」
「北山...俺で、塗り替えてやるからっ...」
「もう.....さ、わんなっ!!」
激しくなる口付けに、カラダをまさぐられ
藤ヶ谷に流されていく。
頭では抵抗出来ても、好きな人に触られているというビジュアルにカラダは素直に反応してしまい
なかなか逃れることが出来ない。
けれど、今まで流されていたのが嘘だったかのように
藤ヶ谷の放った一言によって
俺はいとも簡単に何もかもを振り払い
吠えるように叫んだ。
途端、藤ヶ谷の傷付いた表情に
少しばかり後悔したけれど
そのまま流されて行った後のことを考えれば
致し方ない事だと、自分に言い聞かせた。
.
「お前に、こんなことさせたくない。」
「北山...でも、」
「机も!!
..俺がやったんだ。」
「えっ.........」
「迷惑かけてごめん。俺、帰るわ...」
「ちょッ...待って...!!」
「ごめん。」
.
結局、俺と君は生きる世界が違う。
だから近くにいちゃダメなんだよ。
俺は一度も振り返らずに、藤ヶ谷の家を出た。
194人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じぇし(プロフ) - 君色。さん» 君色さんこんにちわ。ありがとうございます^_^更新は遅いかと思いますが、引き続きよろしくお願いします^^ (2018年1月13日 12時) (レス) id: 8a24218bb8 (このIDを非表示/違反報告)
君色。 - すっごく面白いです!これから二人がどうなっていくか、見所ですね! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 51a53eab2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じぇし | 作成日時:2017年12月9日 21時