北さんの弱点 ２

４２ ページ22

.







バレンタイン当日




めちゃくちゃ早起きして２年バレー部たちには
普通のトリュフチョコ


先輩…、改め信介くんには
少し手の凝ったガトーショコラを用意


入れ物も別々にして
いざ出発





朝練してると思ったので体育館を覗くと
朝から女子生徒に囲まれてるバレー部
というか、双子


終わりかけなのかぞろぞろ集団で出てきた



…あ、信介くんたち
部活やめたのに今日練習出たんだ


また別の時でいいやと思い帰ろうとしたら




侑「あぁ！いたぁ！！」



大きな声を出したのはツムで
女の子かき分けて私の所へ

え、凄い怖いんですけど…




侑「俺、この子からもらうん待ってたんや」


治「…俺もAのが欲しい」


角「俺も」




え、私、公開処刑？
このあともしかして殺られる？


私のことを抱き締めながらそういう双子と
腕を掴む角名


視線が痛い





北「…お前らいい加減にせぇや」




双子と角名を離して
凄い睨んで３人を見る信介くん


私と３人の距離をとらせる




侑「……やっぱりや」


治「…ああ、せやな」




何故か怒られてるのに満足気な双子




『ああ、はいこれ』


治「よっしゃ！今日、１０個目や」


侑「俺は１２個目〜」





しっかり４つ分渡そうと手を伸ばしたら
信介くんがそれを奪った


そして、それを双子の方に突き出した




北「本命ちゃうからな、知ってると思うけど」


侑「し、知ってますよ！」




その袋を受け取ってそそくさと居なくなった
…銀島くんのもあるからね
食いしん坊だからって食べちゃだめだから


女子生徒も釣られて双子たちと去っていく





北「…なんでアイツらに作ったん？」


『作ってって言われました！…えっと、こ、これは…し、んすけくんに』





恥ずかしくて語尾が段々と小さくなる私
その手にはシンプルに包装されたガトーショコラ





北「…やば、めっちゃ嬉しい」




そっぽ向いて恥ずかしがる目の前の彼
そんな顔もするの…？もっと見たい…


じーーっと見詰めると耳まで赤くしていた




『お口に合うか分からないけど、お婆ちゃんと食べて下さいね』


北「ほんまありがとう。大事に食べさせてもらう」




頭をくしゃっと撫でてもらい
私達も各々の教室へ向かった







.










侑「おい、ついに見付けたで！」


治「そやな…ついに見付けたな」


角「それって、本当に弱点なの？」





私の知らないところで彼らはそう話していた









.

北さんの弱点→←４１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す