北さんの弱点

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見事なハモリをした双子
私もこれ、強制参加してるよね？多分

まあ予定も無かったから良いけど
部活終わりとかじゃ大変じゃないか？


そう思いながらサムに部活の事を聞いたら
どうやらその日は午後がオフらしい

なんと都合のいいこと





北「じゃあ、４人で行くか」





急遽決まった夏祭り
少しはおめかしして行こう
そう思いながら持ってきたスケジュール帳に
夏祭りを加えた






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夏祭り当日



早く来すぎたな
集合は１７時で神社の鳥居前集合
ちなみに今は１６時３０分
余裕みすぎたな

一応周りを見渡すも
人が沢山いて正直どこにいるか分からない




私は今日のために
お化粧して
髪もお団子にして
淡い色のワンピースを着てきた


浴衣は持ってないし
レンタルするのもなーと断念した





北「あれ、早いやんか」


『…北先輩！早く着いちゃいました』


北「峰さんもいつもと違う雰囲気で最初分からんかったわ。それも似合ってて可愛いな？」


『あ、りがとうございますっ。北先輩も浴衣、めちゃくちゃ似合っててかっこいいです！』






褒め上手過ぎる
恥ずかしい
負けじと褒めたけど負けた気がする

北先輩の浴衣は
シンプルな紺色の浴衣に
淡い白の帯

銀色の髪にもマッチしてて
とてもかっこいい



色々考えていると恥ずかしくて顔が下に向く
すると北先輩が“そういえば、どうしよか”と
私に問い掛けてきた


なんの事か分からず顔を上げて
首を傾げてみると





北「アイツら、急に体調崩したらしいで？２人になるけど大丈夫か？」


『…私、北先輩となら何人でも嬉しいです』




私なりのアピール
届いたのか届いてないのか分からないけど
北先輩はオレンジの空の下で
かすかに微笑んでいた



行こか、と鳥居の中へと私たちは歩いた




中はすごく盛りあがっていて
お面や綿菓子、焼きそば、りんご飴
祭りに合うもの全て並んでいた





『お腹は空いてるんじゃないですか？』


北「せやな。練習後からなんも食べてへんわ」




はは、と笑っているけど
あの北先輩がご飯抜いたなんて珍しい
本当は体調悪いんじゃ…？




『北先輩、体調悪いなら言ってください』


北「ん？体調悪ないで」


『でも、ご飯食べてないって…』


北「嗚呼、楽しみすぎて食えへんかった」





周りの騒がしい声で上手く聞き取れなかった
“楽しみすぎて食えへんかった”なんて
言うはずないもん


私はなんとか自分を誤魔化すように
どれを食べるか北先輩に問い掛けた









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