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本日の勤務も平和に終わり。


入り口のドアをロックして、パーテーションをその手前に置く。
あとは、窓のブラインドを全て下ろせば完了。


閉店ぎりぎりまで席を使うお客さんはそんなにいないから、ホールの閉め作業はシンプルだ。


細かいところの掃除は開店前にやることになってるんだよね。


『ホール終わりました!』

軽くモップがけをしながら、店長に報告。


「お疲れ。こっちもそろそろだからもう上がっていいよ」


『あ、はい…!』


キッチンからこちらを覗く店長と目があって、
つい返事をしてしまったけれど。

どうしても今日やらなければならないことがひとつ残っていた。

店長と話す機会はあったのに、後回しに後回しを重ね、気づけばこの時間。
積極性のなさには自分ながら悲しくなる。


返事をしてしまった手前、着替えなければととりあえず休憩室へ。


キッチンを手伝っていた金指も店長に帰宅を促されたのか、
にやにやこちらを見ながら休憩室に入ってくる。


『なによ』

「いや、いつ誘うのかなと思って」


シャッ、と勢いよくカーテンを閉める。

金指は黙っていれば大人っぽいのに、精神年齢が低いのが欠点だ。


ここ休憩室は更衣室としても使っていて、着替えはカーテンで仕切られたスペースですることになっていた。


そそくさとエプロンをロッカーへしまって、リュックを背負う。


『先行ってんね』

「え、ちょ!」

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作者名:きたほ | 作成日時:2021年2月4日 17時

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