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妹はとにかく
横暴な性格だった。
「こんな古いの嫌！
視界に入れたくもないわ！」
『……』
「お兄様はこんな場所で我慢できるの！？
無理よ、私は無理！」
気に入らないことに喚き散らかし
キーキーキーキー猿のように
高い声で不満を綴った。
それが妹
レイン・クイーンロウト
そんな妹に
「初めまして、だな。
レインの婚約者、
マレウス・ドラコニアだ」
婚約者ができた。
ふんす、と自慢げな妹を見ては
まあ良かったんじゃないの、と
趣味のガーデニングの手を止めることなく思った。
それが本人達の間で決まったのなら
僕は何も言うつもりはないし。
良かったね、とも言う義理もない。
そんな
何年も口を聞かない関係になった僕たち
僕が魔法士育成学校に通いだし
そのまま仕事についたから
家に帰らなくなったこともあるけど
そして、再会は急に訪れる。
『……妹が、婚約破棄された？』
今後の話をしたいから
家に帰ってきてくれ。
そう伝えられたから戻った。
「あら、久しぶりね兄さん」
……なんか性格も呼び方も変わってるんだけど。
『……』
「あら、相変わらずの無視？」
いや、……。
どうしたの？思春期？
狼狽えている僕に
席に着け、と父様が言った。
────
「ふう、やっと終わった……。
あ、お兄様。
この後時間ある？ 話がしたいのだけど」
『……話？』
「……ええ。誰にも聞かれたくない、話が」
……なに！？
恋人？
嫌だよ僕。惚気話聞かされるの。
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作者名：y | 作成日時：2024年3月9日 22時
