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「あー……眠いな。」
外は日が出ていて暖かく、余計に眠くなる……否、クッソッッ暑い。
1年の下駄箱辺りで聞き慣れた声が聞こえた。
「あれ…上履きどこにあるんやろ…。」
そこにはAが居た。
上履きがないとか言った……?
「Aおはよ。」
「うわっ!……ビックリした、スナ…おはよ。」
明らかに何かを隠している感じがしたし、顔にも嫌な汗をかいてる。
「?どうした?」
「いや……何でもないで、保健室行ってくる。」
「ちょ、上履き履いてないじゃん。」
「あ、まぁ……色々?」
あからさますぎる誤魔化し方だな。
「裏口から行こ、足汚れるでしょ。」
裏口だったら外から入れるし、靴下が汚れないで済むでしょ。
「……おん。」
保健室までAは口を開くことはなく、下手に探りを入れてAを傷つけるワケにもいかない。
だからと言って俺は喋り上手ではない、俺は何も話せずに保健室までただ歩いた。
「A久しぶりー……どした?」
「スナは戻っててえーよ…ありがとぉ。」
……あんまり聞かれたくないのか。
「……わかった…気をつけてね。」
俺は一旦保健室から出て、本当は良くないが立ち聞きと言う悪事を行った。
「……そんでどないしたん?」
「上履きなくなった。」
「心当たりあるん?」
「わかんない。」
「ま、上履き貸すわ。」
「ありがとぉ。」
やっぱり……双子の熱狂的な過激ファンの仕業あたりか?
「最近どう?」
「めちゃくちゃ楽しいで。」
それは意外だ。
笑うは笑うけどあんまり感情出さないAだから考えることが良くわからなかった。
だから楽しいとか思っていたのは意外。
「良かったなぁ、何が楽しかった?」
「治くんとかスナとかとな日常会話する事が楽しい…授業中にコソッとメールするんも楽しい。」
これが俺らの当たり前、普通だとしたらAにとっては当たり前じゃないし、普通じゃなかったんだよね。
「フフッ良かったわ、安心した。」
「えーこ先生はさ」
「ん?」
「彼氏出来た?」
ブフッッッ!
シリアスにえーこ先生とか呼ぶから難しい話になると思ったのに………彼氏って、突拍子なさすぎ。
「ハァァァ〜……
それがなぁ、合コンしたんやけど失敗してん!」
マジ?先生って普通に可愛いから彼氏いたと思ってたんだけど。
「ドストライクの人居ったんか」
「身長高くてイケメンやったんやけど………ハァァァ………。」
余程思い出したくないのか、ため息をついて話は終わった。
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クラウンメロンパン - ちなりさん» そう言って貰えるのはめちゃくちゃ嬉しいです!(泣)ありがとうございます! (2020年5月31日 1時) (レス) id: 6658eed2dd (このIDを非表示/違反報告)
ちなり - 95話最高でした! 更新これからも頑張ってください! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 1cbc15e1f0 (このIDを非表示/違反報告)
クラウンメロンパン - ちなりさん» オチアンケはクラウンメロンパンから出てきます!赤木さんを是非参考にさせてもらいます!閲覧ありがとうございます! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 6658eed2dd (このIDを非表示/違反報告)
ちなり - オチってありますか? あるのだったら赤木さんお願いします! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 1cbc15e1f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クラウンメロンパン | 作成日時:2020年5月10日 2時