【HQ】恋の歯車【国見英】 (ページ3)

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歯車2 ページ3

いつも通りにいつもの時間に家を出たのに、今日は
Aに会わなかった。

「国見はよー」
「…はよ」
「ん？お前今日体調でも悪い？」
「別に」

体調は悪くない。ただテンションが上がらないだけだ。

「何あったか知らねぇけど無理はすんなよ」
「おう」

ま、機嫌が悪くても誰かに当たったりは疲れるからしないけどな。

「あっれぇ？国見ちゃんどうしたのー？いつにも増して元気ないねぇ。彼女に振られた？」
「は!?国見彼女いんの!?」
「女には興味なさそうな顔してるくせに！」
「彼女なんていませんよ。」

女にも興味があるわけじゃない。アイツだから気になるんだ。及川さんは俺の返答にうざいニヤニヤ顔で

「ふぅん。ま、そういうことにしとこっか☆」

と、ピースを作ってキメ顔でそう言うと及川さんは練習に戻っていった。相変わらずイラつく…周りの人らもまぁいっか、と俺の周りから練習をしに離れていった。

「国見、大丈夫か？」
「まぁ」

金田一は近くに来てそう確認しても相変わらず心配そうな顔だった。

「大丈夫だから。お前心配しすぎだろ。過保護か」
「そ、そんなことねーよ！お前顔色悪いし…」
「お前以外の人らはなんも言わねぇから大したことないと思うけどな」
「言われてみれば…でもまじで無理はすんなよ？」
「わかってるって」

元気でもそこまで無理しないだろ、俺。それに自己管理くらいできるから。

「じゃあ俺も先行ってるから！お前もそれ片したら来いよ」
「おう」

そう言われ、いい加減行くか、と立ち上がり、スポドリとタオルを戻そうとしたら

「えっ」

突然、視界が白くなってぐらついた。誰火が俺の名前を呼ぶ声は鈍い音によってかき消された