268話 ページ33
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クラスメイトの話の中で、今日が掃討作戦の次の日だと知った。
エンデヴァーや緑谷くん、相澤先生たちは一命を取り留めたものの、その殆どがまだ眠ったままらしい。
作戦の中で多くのヒーローが亡くなり、山荘の方にいたミッドナイトも帰らぬ人となってしまった。
コードネーム考案や必殺技作りの時、一緒になって考えてくれた恩師である。悲しくないはずなかった。
でも、何故か涙は出なかった。
そして掃討作戦の結果。
死柄木弔、荼毘、スピナーなど幹部クラスの面々は脳無と共に逃げ果せたらしい。
現在はその行方を追っているそうだ。
また、オール・フォー・ワンをはじめとした凶悪ヴィランが収容されている拘置所————通称「タルタロス」が襲撃された。
その後も脳無やタルタロス脱獄者によって他の刑務所が襲われ、受刑者が解き放たれたらしい。
あまりに酷すぎる状況だった。
瞳に影を落としながらも語られる事実に、自分の無力さを改めて痛感させられる。
「それでよォ……俺らもちょっと訊きたいことあんだけどいいか？」
いつもの元気な姿からは想像できないほど、不安そうな声でそう言った切島くん。
どうしたの？とできるだけ緊張を和らげられるよう優しく問いかける。
「これ……本当か？」
彼はスマホの画面をこちらに向けた。
そこには一人がけのソファに座る荼毘がいた。
どうやらそれは一本の動画のようで、端末から彼の声が聞こえた。
これが、あの時彼が言っていた「身の上話」というやつだろうか。
ぼーっとそう考えたのも束の間、画面越しに聞こえる荼毘の話に、瞳に映る蒼い炎に、血の気が引くのを感じた。
そこで語られていたのは、今までずっと隠してきたはずの“人生最大の汚点”。
なんで、なんで荼毘が知ってるの。
その疑問への答えはすぐに出てきた。
彼は林間合宿の時に私を攫ったヴィラン本人。
当然あのバーで話された私の過去についてを知っている。
今まで築き上げてきた全てが崩れていく音が聞こえた。
「火炉木さん……？」
「あっ、ごめん……」
「……ねぇ、火炉木。これ本当なの？」
私の顔を覗く彼らの顔は、「否定してほしい」と叫んでいた。
「……本当だよ、全部。
ごめん、皆。ちょっと出ていってもらっていい？」
自分でも驚くほど低い声が出る。
皆は何も言わない。
足音だけが聞こえる。
病室は私だけになった。
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yukimi(プロフ) - 最高すぎます！何気に相澤先生の絡みが大好きです！！ (2023年3月30日 2時) (
レス) @page38 id: a25b1c0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 追記:↓続編とかでやってくれませんか！ (2023年3月8日 13時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - すみません。途中からでも良いので、夢主を闇堕ちしてください！ (2023年3月7日 22時) (レス) @page19 id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - ミルコとの絡みも見てみたいなー←なんて← (2022年9月16日 3時) (レス) @page7 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ1565(プロフ) - 面白くてもう一から一気見しちゃいました！！！好きです！ (2022年5月22日 19時) (レス) @page7 id: 6849bf532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年8月31日 22時
