259話 ページ24
·
「守られる事に慣れきったゴミ共。
そのゴミ共を生み出し庇護するマッチポンプ共。
これまで目にした全て、おまえたちの築いてきた全てに否定されてきた。
だからこちらも否定する。
だから壊す。
だから力を手に入れる。
シンプルだろ？
理解できなくていい。
できないから、“ヒーロー”と“ヴィラン”だ」
その立ち姿は、形容し難い程の異常さと狂気を持ち合わせている。
エンデヴァーの業火が男を包んだ。
先程より勢いが弱まっているようにも見える。大技を撃ちすぎたか。
相手もそれを理解しているようで、未だ尚動き続けている。
そんな彼を押さえつけるグラントリノ。
だがそれも簡単に引き剥がされてしまった。
私も止めに行かなきゃ。
満身創痍の敵のもとへ向かう。
死柄木は咄嗟に距離を取った彼の脚へ手を伸ばし、掴んだ。
グシャ、と嫌な音が聞こえる。
飛び散る鮮血は私の身体に赤い斑模様をつくった。
そのまま、今度は死柄木がグラントリノを押さえつける。
黒い紋様が走る身体目掛けてタックルを入れた。
私自身の力はきっとこの場の誰よりも劣っている。
でも炎の勢いでその差を埋めれば、いや、それ以上の力を持たせれば。
ごつごつとした筋肉質な肌が直に触れる。
まだだ、まだ足りない。
白を纏う。やっと動いた。
退いてよ。早く。
その思いが届いたのか、それとも死柄木が標的を変えたのか、真実は定かでは無い。
でもジリジリと灼ける音が急に消えたのは確か。
勢い衰えず、地面に顔面から突撃しそうになったが、なんとか受身をとって防いだ。
死柄木はどこへ——————
グラントリノに応急処置を施しながら辺りを見回す。
「っあ……！」
リューキュウが探していた男を止めているのが見えた。
奥にはイレイザーがいる。
そこに緑谷くんが現れ、黒鞭で死柄木を縛り付けた。が、鳩尾に肘鉄を入れられてしまう。
それでも力を緩めることなく、より拘束を強める。
「そのまま頑張れデク！！」
エンデヴァーの声が聞こえた。
あっちは私がいなくても何とかなりそうだ。
それなら、グラントリノを安全な場所へ————
「俺は放っておけ」
「えっ」
驚きのあまりそう零した。
「でも、貴方をここに放置するわけには」
「気にするな。まだ片足だけだ。
流石に戦うのは難しいが、離れるくらいはできる」
「……わかりました」
本人がそう言うんだ。
彼の言葉を信じて、私は立ち上がった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1886人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yukimi(プロフ) - 最高すぎます！何気に相澤先生の絡みが大好きです！！ (2023年3月30日 2時) (
レス) @page38 id: a25b1c0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 追記:↓続編とかでやってくれませんか！ (2023年3月8日 13時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - すみません。途中からでも良いので、夢主を闇堕ちしてください！ (2023年3月7日 22時) (レス) @page19 id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - ミルコとの絡みも見てみたいなー←なんて← (2022年9月16日 3時) (レス) @page7 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ1565(プロフ) - 面白くてもう一から一気見しちゃいました！！！好きです！ (2022年5月22日 19時) (レス) @page7 id: 6849bf532f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひとや | 作成日時：2021年8月31日 22時
