257話 ページ22
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腕を掴まれた。
“個性”は使えないはず。
それじゃあ何故？
でも、折角のチャンスだ。
利用しない訳にはいかない。
その手を私も掴み返し、蒼を放つ。
しかしそれを待ってたかのように、目の前の男の口元は弧を描いた。
「退けよ」
一言そう言い放って、腕を振り上げる。
そしてぎゅん、と風を切る音が聞こえたかと思えば、私は地面へ打ち付けられた。
「い"ッ……」
落ちる寸前で“個性”を使ったから多少は衝撃を抑えられた。
でもやはりあの高さからあの勢いで落とされたのはかなりしんどい。
血が固まり塞がりかけていた傷口から、また赤黒い液体が流れてくる。それを雑に拭った。
上空ではエンデヴァーとリューキュウが交戦中だ。
早く私も合流しないと。
ふらつく脚に力をこめて立ち上がる。
ここまで至る時間は数十秒程度。
この少しの時間だけで、まさかこんな状況になるとは思わなかった。
「は……？」
少し離れたところで土埃が立つ。
それが晴れた時、思わずそう零してしまった。
ヒーローの上に立ち右手を挙げる男。
それは間違いなく死柄木弔だ。
私の後ろでは何か大きな音が聞こえる。
そこではもう見飽きた黒い巨体が何匹も暴れ回っていた。
さっき死柄木が放った電波によって目覚めたんだろう。
「っ、まずい！！」
すぐにエンデヴァーたちから離れた彼は、今度はイレイザーのもとへ向かった。
ぼやける視界をなんとか戻して地面蹴る。
“個性”が使えない今ですらこの有様。
もし「抹消」が消えたら、それこそ一巻の終わりだ。
高く跳びあがり、死柄木の前へと躍り出る。
そして炎を出そうと手を構えたその時、
「緑谷くん！？」
グラントリノが逃がしたはずの彼が、その男の肩を掴んだ。
なんで君がここに。
一瞬だけその疑問が頭を埋め尽くした。
「死柄木が“個性”を使えないなら、僕らも戦力に！！」
死柄木を押さえつける彼の言葉に違和感を持つ。
僕“ら”？
ということはもしかして、彼も。
「合理的に行こうぜ！」
ああ、やっぱり。
掌から放たれる爆発を何度も死柄木へお見舞する。
こうしちゃいられない。私も加勢しなきゃ。
緑谷くんを黒鞭ごと引き摺りながら、爆豪くんのもとへ行く死柄木に純白を放つ。
それと同時にエンデヴァーが拳を撃った。
その勢いに飛ばされはするものの、まだまだ活力はある死柄木を見て、やはりこいつは止めなければと強く感じた。
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yukimi(プロフ) - 最高すぎます！何気に相澤先生の絡みが大好きです！！ (2023年3月30日 2時) (
レス) @page38 id: a25b1c0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 追記:↓続編とかでやってくれませんか！ (2023年3月8日 13時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - すみません。途中からでも良いので、夢主を闇堕ちしてください！ (2023年3月7日 22時) (レス) @page19 id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - ミルコとの絡みも見てみたいなー←なんて← (2022年9月16日 3時) (レス) @page7 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ1565(プロフ) - 面白くてもう一から一気見しちゃいました！！！好きです！ (2022年5月22日 19時) (レス) @page7 id: 6849bf532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年8月31日 22時
