253話 ページ18
·
あれから何分経っただろう。
脳無と闘いを繰り広げるうちに私たちの攻撃が当たらなくなってきた。
二人とも満身創痍ではあるが、攻撃の威力やキレはまだ残っている。
こちらが弱ってきているのでは無い。
こいつらが————脳無が、目覚めてきたんだ。
「しゃーねっ」
ミルコが戦場から抜けた。殼木のもとへ向かうのだろう。
「バカな女」
二匹の脳無が手を伸ばし、彼女を捕まえようとする。
そこに、蒼いカーテンが広がった。
「私を無視しないでくれる！？」
炎の幕だ。
彼女があの男に辿り着き、死柄木を止めるまでは。
私が、こいつらの相手をしよう。
「ヤ厄介」
燃えた先から再生する腕。
効いてないのかと思ったけど、そう思ってくれるなら多少の牽制にはなっているんだ。
ミルコの行った道を守るように二匹の前に躍り出て、攻撃を躱しながらも赫を撃った。
「い"っ……」
脳無の腕が脇腹を掠った。それだけなのに抉れている。
あまりに桁違いな威力に笑ってしまった。
「なゼ笑ウ？」
貴方たちには分からないでしょうね。
命の危機に瀕することなんてそうそう無いだろうから。
ああ、既に死んでるからそもそも命の危機なんてないのか！
黒い巨体に笑いながら挑む姿は、傍から見れば狂人のように映るのだろうか。
どうでも良いことを考えていた。
——————そんな時だった。
「ミルコ！ヘスティア！」
イレイザーの声が耳を刺したのは。
それに安心を覚えたが、攻撃は止めなかった。
そこからは彼の“個性”により素の身体能力のみで戦う脳無と、途中参戦したマイクやクラストと共に戦った。
エンデヴァーの登場もあり、戦況は先程よりかは大分マシになったと思う。
「ミルコは！？」
「死柄木と殼木のもとへ！あっちです！」
あの男と彼女の行った場所を指す。
止められただろうか。
距離があるせいで、ここからじゃ状況確認が出来ない。
もしかしてあの奥にまだ隠された敵がいるのかな。
だとしたら片腕欠損状態の彼女を行かせたのはマズかったか。
頭の中でいろいろ考えを張り巡らせるが、眼前のこいつらを相手するのに手一杯でまとまらない。
「！？」
突如交戦中の脳無が身を引いた。
慌ててそれを追いかける。
するとその腕が膨張し、破裂した。
液体のようなものが飛び散るのを見て紅蓮の盾で防ぐが、何発かは貫通して勢いを弱めながらも後ろの者たちを襲った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1886人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yukimi(プロフ) - 最高すぎます！何気に相澤先生の絡みが大好きです！！ (2023年3月30日 2時) (
レス) @page38 id: a25b1c0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 追記:↓続編とかでやってくれませんか！ (2023年3月8日 13時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - すみません。途中からでも良いので、夢主を闇堕ちしてください！ (2023年3月7日 22時) (レス) @page19 id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - ミルコとの絡みも見てみたいなー←なんて← (2022年9月16日 3時) (レス) @page7 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ1565(プロフ) - 面白くてもう一から一気見しちゃいました！！！好きです！ (2022年5月22日 19時) (レス) @page7 id: 6849bf532f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひとや | 作成日時：2021年8月31日 22時
