252話 ページ17
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眼下にいる脳無たちは、私たちがなぜ生きてるのか不思議そうにしている。
ミルコは蹴りで、私は炎で衝撃を相殺したのだ。
いくらこちらが生身の人間だからといって、舐められては困る。
大小様々なチューブから抜け出し、膝を曲げる。
そして飛び上がった瞬間炎を脚に纏わせて、殼木の行く先へ向かった。
あの脳無たちにいちいち構ってられない。
それよりも早く、早くあいつを止めなきゃ。
「蹂躙せよト。ソ、そそういう指令だ」
一匹の脳無の頭が畝り、私たちを襲う。
岩のように頑丈で刃物のように鋭利なそれは、当たれば正に即死級だ。
炎で受け止めるも、今度は前後から突撃される。
受け流して逃げればいけるか。
私が実行するよりも先に、隣のミルコが動いた。
後ろのゾウのような奴の口と、胸部に膨らみのある奴の脳に足を入れ、ぐるりと一回転。
頭をやれば動きは止まる。だからもしこれが決まれば。
しかし、そう上手くはいかなかった。
先程まで私たちに伸ばされていた頭が急に引いた。
突然のそれについ体勢を崩しそうになるが、なんとか保つ。
大きく波打った頭はミルコの腕を掠った。
そのせいでまた軌道がずれ、あの二体の脳無の傷は浅い。
……まずい。私、足を引っ張ってしかいない。
なんで、なんでだ。何してんだ私。
傷が増えていくヒーローを見て、自分の無力感に襲われそうになる。
いや、ダメだ。そんなことしてる暇ない。
今は目の前だけを見ていろ、ヘスティア。
頭を振って雑念を払う。
ミルコはもう既に別の所へ行っていた。
最初に襲った脳無の伸びる頭を壊して距離を縮める彼女の腕が、異様な方向に曲がる。
「チョ、チョコマカと……！」
アーマーを付けた脳無がやってるのか。
その首目掛けて蹴りを撃つ。
再生で押し戻されるのを蒼炎で抑え込み、なんとか掻っ切った。
鈍い音と共に床に落ちる首。
ミルコは？腕は大丈夫か？
いや、もう曲げられた時点で平気なはずない。
彼女の方を見ると、肘から下は血に塗れていた。
でも彼女が交戦していた脳無の頭は無くなっている。
「ドタマ潰しゃあ止まンなら、むしろそこらのヴィランよかよっぽど楽だ！
こちとら いつ死んでも後悔ないよう、毎日死ぬ気で息してる！
ゾンビに私らは殺れねェぞ」
自身の長い頭髪をきつく結んで止血をし、そう宣言するミルコ。
姿こそ痛々しかったが、彼女の瞳に宿る光は強く揺るぎないものだった。
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yukimi(プロフ) - 最高すぎます！何気に相澤先生の絡みが大好きです！！ (2023年3月30日 2時) (
レス) @page38 id: a25b1c0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 追記:↓続編とかでやってくれませんか！ (2023年3月8日 13時) (レス) id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - すみません。途中からでも良いので、夢主を闇堕ちしてください！ (2023年3月7日 22時) (レス) @page19 id: 7d0fba99d3 (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - ミルコとの絡みも見てみたいなー←なんて← (2022年9月16日 3時) (レス) @page7 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ1565(プロフ) - 面白くてもう一から一気見しちゃいました！！！好きです！ (2022年5月22日 19時) (レス) @page7 id: 6849bf532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年8月31日 22時
