88話 ページ41
緑谷side
「スナイプ先生や！」
麗日さんがモニターを見て声を上げた。
それに今までメモするために下げていた首を彼女の視線の先に向ける。
そこには若干焦りの色の見える火炉木さんが、ビルの屋上に立つスナイプ先生を見上げているのが映っていた。
いつも思うけれど、このカメラはどうしていつも良いアングルから撮っているのだろうか。
移動式かな————と、そんなことはどうでもいい。
僕達は今、6対1の圧倒的不利な演習試験を見せられている。
体育館の大画面モニターには常に火炉木さんが映っていた。
「Aちゃん……大丈夫かしら……」
「せんせー！こんなのリンチじゃん！今すぐやめようよ！」
「漢らしくねぇ！」
その様子を眺めることしか出来ない僕らは、せめてもの思いでそう叫ぶ。
かっちゃんの方をチラリと見ると、皆のように火炉木さんへの心配や先生へ歯向かうような素振りは一切見せていない。
むしろ笑っているようにも見えた。
それは火炉木さんが勝つと分かっていてのものなのか、負けるのが目に見えているからなのか。
でもあの笑顔に嫌味な感じは見られなかった。きっと前者だろう。
「お前ら落ち着け。
俺たちだって火炉木を陥れたいからこんなことしてるんじゃない。
ここを切り抜けるのが、アイツの課題解決に手っ取り早いと思ってるんだ」
「え……？」
言ったことの意味が上手く汲み取れず、間抜けな声が出た。
「火炉木の課題。それは『限界突破』だ。
と言っても、思い込んでる限界だけどな」
「そ、それって……」
「これを見ろ」
そう言って取り出したのは一枚の写真。
青い炎に包まれた家が撮られている。
なぜか既視感があった。
「これがアイツが本気を出した時の炎だ。温度は10000℃を超える」
「一万って……どのくらいだ？」
「さぁ……」
「とにかく高いってことじゃねーか？」
切島くんたちも想像できないようで、首を傾げている。
僕も高いことは分かるけれど、それがどれほどなのかは想像がつかなかった。
「しかし、アイツはまだそこまでいっていない。
お前らも見ただろ、体育祭での最大火力。
あれはこの炎の半分の威力もない。
火炉木は自分で自分の限界を抑えているんだ。
今回は本当の限界を出せるかどうか、それが課題になっている。
だから6対1みたいな不利な状況での戦闘にしたんだよ」
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花鳥風月 - みんなかっこよすぎでしょ！？かっこよさが罪！ (2021年5月13日 7時) (
レス) id: 807eb68517 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - いやぁぁぁぁ！荼毘さんっっっ！カッコいい！←完全に頭おかしい奴 (2021年5月9日 14時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - みーたん！さん» それなです...推しが尊い... (2021年5月7日 23時) (レス) id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - 夢主ちゃんと上鳴くんの絡み、、！よき^ - ^ (2021年5月4日 16時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年5月3日 23時
