51話 ページ4
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「そ、それよりも他に良いのないか見よ！！ねっ！」
なんとか話題を変えたが、上鳴くんはまだ口を尖らせている。
見るからに不満気だ。
「……あ、これお母さん好きそう」
「ん？」
私の声に反応して、視線の先を見つめた。
そこにはハートのチャームがついた銀のネックレスがある。
母は基本的にシンプルイズベストな人なので、こういうアクセサリー類をあまり買わない。
付けるとしてもこういう飾らないものを好む傾向にある。
「そーいや火炉木って、自分のこととかあんま話さねーよな！」
「……そうかな？」
「いっつも俺らの話を聞いて乗っかってくるって感じじゃん」
しまった。まさか彼がこんなに鋭いとは。
自分の失言に心の中で頭を抱える。
「……だって、上鳴くんたちがめっちゃ話すから！」
「あー、たしかにな〜」
それより、これどーよ？
そう言って別のところへ行った彼の背中を見て、ホッと息をつく。
危うくバレるところだった。
未だに取り上げられるあの日のことは、きっと上鳴くんたちも知っているはず。
それの犯人が私だなんて知ったら、私のことを軽蔑するだろう。
なんで私みたいなのがヒーローを目指してるんだって罵ってくるかもしれない。
折角いい友達をもったのだから、それは絶対に避けたい。
「火炉木？」
心配そうにこちらを見つめる彼は、見た目こそチャラいがいい人なのは間違いなかった。
……本当に良い友人を持ったものだ。
「ごめんごめん！ボーッとしてた！」
笑いながら上鳴くんのもとへ向かった。
■
「あー！楽しかったー！」
「そうだねぇ」
軽く伸びをする上鳴くんを見て、笑みがこぼれる。
結局お揃いで買ったのはキーホルダーだった。
某ポケットのモンスターのやつ。
上鳴くんは黄色いネズミで、私は尻尾に火がついたトカゲ。
お揃いかと訊かれたら怪しいが、上鳴くんは満足そうだったのでこれで良いんだろう。
「やっぱ火炉木といんの楽しいわ！」
「私も上鳴くんといると楽しいよ」
「マジ〜？嬉しいこと言ってくれんじゃん！」
おらおら、と私の肩を肘で突いてくる上鳴くん。
それに笑いながらやめてよ、と返す。
「じゃ、またな〜！」
「じゃね！」
彼とは駅で別れ、電車に乗り込んだ。
袋に入ったキーホルダーを取り出し、トカゲの頭を優しく撫でる。
「楽しかったなぁ」
幸せを噛み締めるかのように、小さく呟いた。
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花鳥風月 - みんなかっこよすぎでしょ！？かっこよさが罪！ (2021年5月13日 7時) (
レス) id: 807eb68517 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - いやぁぁぁぁ！荼毘さんっっっ！カッコいい！←完全に頭おかしい奴 (2021年5月9日 14時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - みーたん！さん» それなです...推しが尊い... (2021年5月7日 23時) (レス) id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - 夢主ちゃんと上鳴くんの絡み、、！よき^ - ^ (2021年5月4日 16時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年5月3日 23時
