70話 ページ23
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私の腕を掴む手を振り解き、ハテナを浮かべた顔で荼毘の方を向いた。
彼も彼で私に対してハテナを浮かべている。
なんなんだこの状況。
「捕まえねぇの？」
「ホントなら今すぐ捕まえたいけど、生憎 捕獲用のアイテムを持ち合わせてないから。
“個性”使いたいけどエンデヴァーからの許可もないし」
「へぇ」
そう言った瞬間、荼毘は私の首を掴んだ。
突然のことにそれを避けることができず、痛みに顔を歪める。
「……っ、何よ！」
「見られたんだ。ただで帰すわけねぇだろ？」
「そうだけどっ……！！」
酸素不足で咳をしてしまった。
キツく睨むと、余裕そうな顔でこちらを見ていた。
「ざまぁねぇな、雄英生」
「うっるさい……！！」
「顔、真っ青だぜ？大丈夫か？」
「アンタのせいでしょうが……！！」
力が強い。力量差がありすぎる。
だんだん頭がクラクラしてきた。ヤバい、なんとかしないと。
「ごめんなさいね……！」
「あ？」
ここを切り抜けるにはこれしかないの。
私の首を絞める手に自分の手を乗せ、そこから火を出した。
弱火にしてるから軽い火傷程度で済むだろう。
「チッ……！！」
手がゆるんだ隙にスルリと抜けた。
足がフラフラして気持ち悪い。咳も止まらない。
「残念だったね！」
「はぁ……“個性”使ってんじゃん、お前」
「バレなきゃ合法」
「ヒーローらしからぬ言動だな」
「うるさい」
緊急事態なんだ、仕方ないだろう。
それに殺してはいないし。
一歩、また一歩と近づいてくる彼に対して、私も後ろに下がって距離をとる。
何度かそれを繰り返すと、背中にひんやりとした感覚が。
壁だ。
前にはヴィラン、後ろには壁。なんて絶望的状況。
「諦めて死ねよ」
「————っ！！」
蒼い炎を出してこちらに迫ってくる荼毘。
そんな彼の股の下を通って反対側に行く。
失敗する確率の方が高かったが、上手くいってよかった。
バレなきゃ合法とは言ったが、あまり“個性”は使いたくない。
ここはもう逃げよう。
来た道を引き返し、人通りの多い道へと飛び出した。
さすがの彼もこの中で私を殺すのは憚られたのか、追ってこなかった。
「……でも、どうしよう」
エンデヴァー事務所への道は未だに分からない。
誰かに聞けたらいいんだけど。
「オネーサン、今一人？」
振り向くと、チャラそうな男たちがこちらを見ていた。
こんな人たち、知り合いにいたっけ？
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花鳥風月 - みんなかっこよすぎでしょ！？かっこよさが罪！ (2021年5月13日 7時) (
レス) id: 807eb68517 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - いやぁぁぁぁ！荼毘さんっっっ！カッコいい！←完全に頭おかしい奴 (2021年5月9日 14時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - みーたん！さん» それなです...推しが尊い... (2021年5月7日 23時) (レス) id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - 夢主ちゃんと上鳴くんの絡み、、！よき^ - ^ (2021年5月4日 16時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2021年5月3日 23時
