68話 ページ21
･
救けた女の子に非常階段で降りるよう指示する。
無事に避難したのを見て、もう1つのエレベーターも調べに行ったが、中には誰もいないようで安心した。
持ち場に戻ると、サイドキックの人に「何があったの？」と問いただされた。
人命救助をしてました、と伝えればホッとした顔をして私の頭を撫でる。
もちろん脳無と戦ったことは秘密だ。
なにもなかったんです、はい。
全ての脳無が捕まり、それと共に本日の職場体験も終了した。
緑谷くん、轟くん、飯田くんはヒーロー殺しステインと遭遇してしまったらしい。
怪我もしてしまい、今は保須総合病院で入院しているとそうだ。
まあ私も火傷やら切り傷やらの治療できてるんだけど。
比較的軽傷だったので、明日も参加できそうだ。
「————にしても大変だったねぇ」
今は三人のいる病室へお見舞いに来ている。
と言っても見舞いの品なんて何も買ってきてない。急ぎで来たから買う暇がなかったんだ。許してほしい。
「うん……生きてるのが奇跡だって思っちゃった」
「とにかく全員生きてて良かったよ。
ステインと戦って勝っちゃうなんて、ほんとに凄いし！」
暗い雰囲気を盛り上げようと、必死に話をポジティブな方向へ持っていった。
ネガティブ思考はよくないよ！！ねっ！！！
「てか緑谷くんがクラスLINEに現在地送ってきたのって、『ピンチだから応援を呼んで』って意味だったんだね。
私全然気づかなかった。誤送信かと……」
「あっ、気にしないで！僕も詳しく書いてなかったし仕方ないよ！！」
でもステインと対峙してたんじゃ、メッセージ打ってる暇ないよね。
現在地を伝えるので精一杯だったと思う。
非常事態でそこまでの判断が出来れば十分だと思うけど。
……それを汲み取れるかは別として。
「ま、生きて帰って来れたんだからよし！
私そろそろ帰らなきゃだから。じゃあね」
「うん！じゃあね！」
「じゃあな」
「お見舞いありがとう！！」
それぞれ個性のある返し方だなぁ。
そんなことを思いながら病院を出た。
今日の夕飯、何にしようかな。
ハンバーグもいいし、冷やし中華もいい。
うーん……
「……あれ？」
ここ、どこだ？
火炉木 A、15歳にして迷子になりました。
轟くんに道聞きたいけど、流石に恥ずかしいので頑張って事務所に帰ろう。
大きな一歩を踏み出した時、何か焦げ臭い匂いが鼻をかすめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 810人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花鳥風月 - みんなかっこよすぎでしょ！？かっこよさが罪！ (2021年5月13日 7時) (
レス) id: 807eb68517 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - いやぁぁぁぁ！荼毘さんっっっ！カッコいい！←完全に頭おかしい奴 (2021年5月9日 14時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - みーたん！さん» それなです...推しが尊い... (2021年5月7日 23時) (レス) id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん！ - 夢主ちゃんと上鳴くんの絡み、、！よき^ - ^ (2021年5月4日 16時) (レス) id: 4e876a97b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひとや | 作成日時：2021年5月3日 23時
