315話 ページ37
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左頬に手を当てる。
赤黒い何かがべたりとついた。数秒遅れてそれが血なのだと気づく。
頭がうまくはたらかない。視界がぼやける。
だめだ、まだ倒せてない。
やらなきゃいけないことが沢山あるんだ。
先輩やヒーローたちを救けなきゃ。
デクが来るまで、守らなきゃ——————
《電磁バリアを一瞬解除する！！
2秒！！持ち堪えて！！》
そんな時、頭にキーンと響くマンダレイのテレパス。
なんでそんな急に。それにたった2秒かもしれないけれど、今の死柄木じゃそれすら稼ぐのもやっとだ。
「な、んとか、しなきゃ……」
掠れる声で呟く。
それを掻き消すように大きな声が聞こえた。
「桃が！！なってるよ！！」
それはルミリオンのものだった。
彼はおしりを突き出してそう叫ぶ。
ああ、あれだ。文化祭準備の時にエリちゃんに向けて同じことをやっていた。
「は？」
死柄木から呆れたような声が聞こえる。
ぷっ、と吹き出していた。
ウケたんだ……とこんな時なのに考える。
そんな彼の奥から、私たちの大本命の姿が見えた。
「デク……！」
真打登場だ。
やっと戻ってきた彼に頬が緩む。
彼はすぐさま死柄木に攻撃をしかけた。
しかしそう簡単に倒れる相手ではない。
男は不自然な程に逞しくなった左腕を振りかぶった。
デクはそれを避け、蹴りを入れる。
受けきれずに吹き飛ばされた死柄木の身体が、再び張られた電磁バリアによって硬直した。
「遅れてすみません！皆 無事————」
こちらを振り向くデクの顔がみるみる内に曇っていった。
そりゃそうだ。皆ボロボロになっているんだもの。
でも大丈夫。まだ生きてるから。
そう声をかけようにも、身体中が痛くて何も言えなかった。
今になって痛覚が戻ってきたようだ。全くタイミングが悪すぎる。
「遅刻の言い訳はいいのか？
トガあたりの仕業だろ？緑谷出久」
煙の奥から少しずつ死柄木が見えてきた。
「言ったらどうだ？
『仕方なかったんだ』、『僕も予想外だったんだ』って！
そうやって、『奴等』と同じように責任から逃れたらどうだ！？」
そいつによって怒りを煽られた彼は、掃討作戦で見せたあの禍々しい姿に変貌した。
駄目だよ、そんなのあいつの思う壷だ。
叫びたいのに叫べないのがもどかしい。
短い呼吸だけが絶えず口から出た。
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MR サナリア(プロフ) - ちょっ！もういいやっ！アニメ勢で多分これアニメより進んでる気がする…けど面白いからかんけーねぇ！よんじゃえ！ (3月17日 19時) (
レス) @page24 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
東屋(プロフ) - 更新楽しみに待っています…！！一気読みしてしまいました！頑張ってください！！ (2月12日 15時) (レス) @page40 id: 3ab66d3982 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - とても面白いです！！！！更新楽しみにしています。これからも読み続けます！！頑張ってください！！！ (8月27日 18時) (レス) id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠偉(プロフ) - あぁぁぁぁぁ続きが気になるーけど更新お疲れ様です！これからも読み続けるので頑張ってゆっくりでもいいので作品を完成させてください！応援してます (2023年4月10日 8時) (レス) @page18 id: 04dc814efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひとや | 作成日時：2023年4月3日 11時
