313話 ページ35
·
ふらりと立ち上がり、何かぶつぶつと呟いている爆豪くん。
「ダメだ！行くな！！」
ベストジーニストの制止も聞かず、彼は死柄木のもとへ単身突っ込んでいってしまった。
そんな彼を退けるように男は右手を払う。
それをダイナマイトは
着地した彼を再び攻撃しようと振りかぶった左手を避け、背後に回り、まだ折れていない掌を死柄木へ向けた。
ボッ、と火が点く音がする。
気づけば私も彼に続いてあの白髪目掛けて攻撃を放っていた。
それは他の皆も同じようで。
近づくこともままならなかった死柄木に対して総攻撃を仕掛ける。
身体の痛みなど、どこかへ消えてしまった。
ただこの男を倒さねばと思った。
しかしやっぱりこれは現実で、私と死柄木の間にはどう足掻いても越えられない力の差があって。
血を撒き散らしながら地面へ身体を打ち付ける爆豪くんを、
土煙の中愉しげに笑う死柄木を、
ただ瞳に映して絶望することしかできなかった。
「心臓が——————」
遠くでジーニストの声が聞こえる。
違う、違う。
爆豪くんはこんなとこで死ぬ人間じゃない。
「
死柄木が言うそれも、きっと嘘だ。
嘘に決まってる。どうせ私たちの心を揺さぶるためだ。
喉が渇く。“個性”を使いすぎたからだろうか。それもよく分からない。
「さて、次は！？
次は誰が緑谷出久のプレゼントになる！？」
とても楽しそうに爽やかな笑みを浮かべて彼はそう言った。
その視線の先にはミルコがいる。腹部と足を圧迫され、動けないようだった。
静かに立ち上がる。
地を蹴った。
「次は君か！そりゃあいい！
君も爆豪勝己には劣るが緑谷出久と仲が良い」
後ろから私を止める声が聞こえた。
大丈夫。こいつを倒すつもりはない。
「てめぇじゃねぇよ。自惚れんな」
そう毒を吐いて、襲いかかる左手を避けた。
そしてそれを足場に反対へ回り込む。
用があるのはお前じゃない。ミルコだ。
彼女に纏わりつく気持ちの悪い指を燃やし、身体の自由を確保する。
そして去り際に、新しく作って貰った
「おいおい！気でも狂ったか！？」
煽りには何も答えない。
ただ無心で撃ち続けた。
幾らか練習したとはいえ、やはり動きながらだとやりづらいな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MR サナリア(プロフ) - ちょっ！もういいやっ！アニメ勢で多分これアニメより進んでる気がする…けど面白いからかんけーねぇ！よんじゃえ！ (3月17日 19時) (
レス) @page24 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
東屋(プロフ) - 更新楽しみに待っています…！！一気読みしてしまいました！頑張ってください！！ (2月12日 15時) (レス) @page40 id: 3ab66d3982 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - とても面白いです！！！！更新楽しみにしています。これからも読み続けます！！頑張ってください！！！ (8月27日 18時) (レス) id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠偉(プロフ) - あぁぁぁぁぁ続きが気になるーけど更新お疲れ様です！これからも読み続けるので頑張ってゆっくりでもいいので作品を完成させてください！応援してます (2023年4月10日 8時) (レス) @page18 id: 04dc814efc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひとや | 作成日時：2023年4月3日 11時
