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Ki*
みんな酒も回ってくる頃には
フロアに出たり
店内からは消えたり
入れ替わりもありながら
部屋の中の人数も最初より少し減った
Aも部屋を出たきり戻って来なくて
強い酒を流し込んで
俺も部屋を出た
階段の端の方に
１人立っているAを
すぐに見つけ出す
人が溢れかえる中
腰を重ね揺れる人たちを
無表情に眺めている
さっきまでの
楽しそうな様子とは違い
感情が見えない冷たい顔
だけど……
すごく、綺麗だと思った
気の強そうな
ハッキリした顔立ちも
華奢な体型も
別にタイプでもないけど
それでも、本当に綺麗だと思った
見惚れていると遠めに目が合う
俺に気づけば
ふっ、とスイッチが入ってように
微笑んだ
誘われるように近づく俺の腕に
Aの手が触れ
声が聞こえるよう
少し顔を寄せる
「どこ行くの？」
「…いや、A探してた」
たぶん、冗談にも本気にも
どうにでも取れる言い方だったと思う
Aは余裕そうに
「二人で、抜ける？」
と笑った
*
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作者名：ゆう | 作成日時：2019年1月18日 19時
