smile. (ページ16)

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Ki*

Aはいつも明るい

だけど、いつもどこか寂しげに見える

気のせいかもしれないけど

１人のときに

ふと見せるその表情が

どうしても引っ掛かる

俺に気づいたAが笑った

いつもAは上手に笑う

「こんなとこで何してんの？」

「カズマのこと待ってる

亮くんがこの近くにバー出したから

行こうって言ってて…

一緒に行く？」

そこにちょうど来たカズマ

「お待たせー

おっ、ミツも一緒に行く？」

「いや、俺は……」

この3人って微妙じゃないか？

「まぁいいじゃん

行こ行こー！」

って半ば強引に連れられる

いつものクラブから

そう離れていない路地に

そのバーはあった

隠れ家っぽい雰囲気で

目立たなくお店の名前が書いてあるだけの

シンプルな入り口

知らなかったら

バーだとは気付かないような店だ

ドアを開けると

豪華だけど上品さを感じる内装は

亮くんらしいお店

「カウンターに亮くんが立ってる」

カズマが嬉しそうに言った

「こう見えて酒作れるから

そっちの奥に入って」

俺たちは店の奥に通される

*