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F*
部屋に帰れば
ベッドでAが眠っている
大学生になって少ししてから
俺もマンションを借りた
Aが住んでいるマンションから
わりと近い場所
立地はいいけど
1Kの狭い部屋に
必要最低限の荷物や家具
ほとんどの荷物は
実家に置いたままだ
狭い部屋に似合わないダブルベッドは
Aが選んだもの
シャワーを浴びて部屋に戻ると
Aが起きていた
「おかえり」
「ただいま」
昔からしょっちゅう
お互いの家を行き来していて
Aが一人暮らしを始めたときに
合鍵ももらったから
当たり前のように
この部屋の鍵もAに渡した
Aの部屋も俺の部屋も
人が来ることはそうないから
お互い連絡も取らずに行き来する
そのせいで行き違いになり
家主のいないお互いの家で
それぞれ過ごすことなんかもある
「実家、顔だしてくれたみたいだな」
「うん、久しぶりに家族団欒してきた」
うちは男兄弟だけだし
母さんはAのことを
本当の娘のように
可愛がっているように思う
*
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作者名：ゆう | 作成日時：2019年1月18日 19時
